医学部地域枠のメリット

【メリット1:入試が比較的易しい】

地域枠を狙う最大の理由は「入試が一般枠より易しい」だろう。国立大医学部の場合、「共通テストの正答率8割以上」が常識(全体平均は約6割)とされているが、各種予備校の集計によれば、地域枠は「共通テスト7割前半」の合格事例も報告されている。

ただ、学力的なハードルはやや低いが、「地域医療への意欲」を共通テスト前に提出する内申書・推薦文や、共通テスト後の2次試験(小論文/面接など)で厳しく審査されるため、その県に無縁の受験生が医学部合格欲しさに応募したのでは大願成就とはいかない。面接官は地域医療のプロであり、例えば、「豊かな自然が魅力的」「テレビドラマ『Dr.コトー診療所』に感動」といった薄っぺらな説明で納得させられるようなヤワな相手ではない。

近年では、「県内の高校出身者限定」「保護者も県内居住」などの条件を設ける医大も多い。

カメラに向かってポーズをとる若い医師
写真=iStock.com/kyonntra
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【メリット2:条件付き奨学金が得られる】

地域枠の場合、国立大は「月10万~20万円程度の奨学金」、私立医大は「学費の大部分」が貸与されることがあり、しかも国立・私立ともに規定年限を指定病院で勤務すれば返済不要となる。上手に活用すれば、医大入学後は親の仕送りなしに医師になることが可能である。

難関医学部に入りやすく、お金の心配も少ない……ずいぶんおいしい話だが、以下のようなデメリットもある。