筋骨を鍛えて神経ネットワークを活性化させる
片足立ちは、たんなるトレーニングではありません。脳卒中や認知症といった病気の発見に役立つ「診断機能」も兼ね備えており、習慣にすることそのものが、たいへんすぐれた「サルコペニア予防」になります。
片足立ちを毎日行うと、太ももの大腿四頭筋やハムストリングが鍛えられます。骨には適度な負荷がかかり、骨密度を上げる効果もあります。
1分間の片足立ちを1日3回行うと、足の付け根の骨には50分歩くのと同等の負荷がかかるため、大変効率のいい運動なのです。1分間できない人も、毎日挑戦すれば、筋肉や骨が鍛えられて、徐々にできるようになるはずです。
また、第2の心臓であるふくらはぎが刺激されて、血液循環が良好になります。体がふらつかないようにと、脳を起点とした神経ネットワークも活性化するため、脳トレとしての効果も期待できるでしょう。
サルコペニア対策にあれこれ習慣にするのが大変な人は、1日3回、1分間の片足立ちだけでも、生活の中に取り入れるようにしましょう。
ふくらはぎを親指と人差指で囲めたら危険信号
自身がサルコペニアの疑いがあるかどうかは、次の簡易チェック法でわかります。利き足でないほうのふくらはぎの一番太い部分を、両手の親指と人差し指で輪をつくって囲んでみてください。
囲めない人には十分な筋肉量があります。指とふくらはぎの間に隙間ができる場合は、サルコペニアの危険性が高いです。このことは医学論文でも報告されています。該当する人は、筋肉をつける習慣を身につけていきましょう。