いつまでも若々しくあるためには、どうすればいいのか。老年医学の専門医の和田秀樹さんは「人の老化は感情から始まる。『まあ、いいや』を口癖にしている人は脳の老化が早まってしまう。恋愛や株投資など前頭葉を刺激するような『俗事』に興味を持ったほうがいい」という――。
※本稿は、和田秀樹『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)の一部を再編集したものです。
動脈硬化も骨粗鬆症も今は40代から始まる
血管の老化である動脈硬化は、早い人は40代から始まっている。高齢女性に多い骨粗鬆症も、最近は40代ぐらいからめっきり多くなった。これは間違ったダイエットが原因だと私は考えているが、男女問わず、40代ともなると臓器が昔よりも老化しているのではないかとしばしば指摘されている。
とはいえ成人の体として、実用機能はあまり衰えてない。運動能力の低下により「40代になったらこの仕事は無理だ」と言われるのは、プロスポーツの世界ぐらいである。
もっともコンピュータ・ソフトの開発者のように、運動能力が問題になるわけでもないのに35歳定年説がささやかれる職業もある。これは年齢とともに実務からマネジメントへと異動する人事上の理由もないわけではないが、進歩の速い世界で新しいことを覚えるのがおっくうになってくるからとも言われている。