いちばん感情を動かすのに効果的なのは恋愛

いちばん感情を沸き立たせて、しかも結果が不確定という意味では恋愛も勧められる。中高年が本気になって暴走して、家庭を壊してしまうのは本意ではないけれども、風俗などに行くよりは(風俗にも性ホルモンを若返らせるような効能はもちろんある)、前頭葉の刺激には恋愛のほうがいい。恋愛といっても浮気までするのではなく、プラトニックでも何でもいい。男女交えてワイン会を企画するとか、異性と心をときめかせる機会を持つことも含めて、ということである。

前頭葉機能が衰えてくるにしたがって、ルーティンはルーティンとしてしか受け止められなくなってくる。代わり映えのしない日常は、ますます退屈なものになる。そうなったときには、強い刺激をあえて求める必要もある。

本格的なものから受ける刺激が中高年には欠かせない

和田秀樹『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)
和田秀樹『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)

たとえば若いころなら何を食べても美味しく感じたものが、中高年になると本当に美味しいものでないと感動しなくなる。となると、信頼できるグルメサイトを見て、評判のいい店に行ってみてはどうだろう。

旅行でも、これまでは普通の温泉旅行で楽しかったものが、つまらなくなってきたなら、本物の秘湯に行ってみよう、世界遺産を訪ねてみようということになるかもしれない。

あるいは、テレビでお笑い番組を見てもつまらない、雛壇芸人ではどうにも笑えないというのであれば、寄席に行ってみるとか、大阪なら「なんばグランド花月」に行くとか、レベルの高い芸を楽しめる場所を訪ねてみよう。

より本格的なものから受ける刺激が、中高年には欠かせなくなってくるのである。

【関連記事】
【第1回】むしろ日本人はもっと肉を食べたほうがいい…「欧米で流行の食生活」を真似してはいけないワケ
長生きしたければ「冬場の暖房代」をケチってはいけない…脳科学者が指摘する「脳がボケる部屋」の条件
「脳トレはほぼ無意味だった」認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと
「10万人の胃腸を診た専門医が警鐘」日本人の約5割が毎朝食べている胃腸に最悪の"ある食べ物"
心臓・脳の機能が改善し、免疫力が高まり、寿命は延びる…ゼロ円で今すぐできる奇跡の習慣