ここの相場はあまりに安い

「ムカつくのが『ここで立っているコのなかでいちばんかわいい』って声かけして、2って言ったら、2かあ……って渋る奴。そんなのばかり。みんなお金ないし、ケチ。あと、パパ活はワクワクメールでやってたけど、ドタキャンが多すぎ。待ち合わせ場所まで行って洋服まで教えたのにドタキャン。そんなのばかり。だからサイトは使いたくない。

中村淳彦『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)
中村淳彦『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)

あとは顔がわからないのは怖い。立ちんぼだと顔がわかるのはメリットで、この人とは行きたくないと思ったら断れる。ただ相場が安すぎる、それが一番の不満です」

星野恵梨香の話は終わった。今日は立つつもりで歌舞伎町に来ているので、大久保病院前に戻るという。お礼を言って5000円を渡すと、彼女は病院前に戻って行った。

お会計をして筆者たちも病院前に戻ってみると、彼女はすでにオヤジと立ち話をしていた。オヤジは星野恵梨香と必死に何か交渉するが、すぐに諦めて隣の女の子に移った。おそらく1万円と食い下がったのだろう、と思った。

【関連記事】
銀座ママが「LINEを交換しよう」と聞かれたときに必ず使う"スマートな断り文句"
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ
ベルトで殴り「ウソ泣きするな」と激高する…旧統一教会2世信者を苦しめた韓国人夫のすさまじいDV
六本木のようで川崎のようでもある…なぜハロウィンの梨泰院に10万人の若者が集まったのか
若者を「初回無料」で課金沼に落とす…深刻な「ガチャ依存」に陥る日本のゲーム会社の残念さ