ネット経由はドタキャンの嵐

立ち話で交渉、1万5000円で合意したとする。どこのラブホテルに行くかは男性が決める。高級ラブホテルに行く人はほとんどいない。大久保病院に隣接する安価なラブホテルを選ぶ。

「部屋に入ってまず雑談。そこからシャワーを浴びる前に前払いでお金をもらって、一緒にシャワーを浴びる。セックスが終わったら、また一緒にシャワーを浴びる。それでちょっとしゃべって一緒にホテルを出て、バイバイみたいな」

取りっぱぐれがないように前金でお金をもらうのは、売春の基本だ。それぞれでシャワーに入るとお金や物を盗まれるリスクがある。だから、一緒に風呂に入る。風俗のように時間が決まっているわけでない。女の子からすれば早く終わるに越したことはない。

「時間は人による。早い人は10分とかで終わる。長い人でも30分とか。でも、私はそんなに長くかかる人に当たったことないかな。早くイカせるためにアソコを絞めつけるとかやっている子もいるけど、私は何もしてない。すぐ終わる人は、シンプルにイクのが早いだけ」

歌舞伎町のホテル街
写真=iStock.com/ablokhin
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メインは40代、みんなお金がない

割り切ったセックスだと、ガツガツして体力がある若者より、オヤジのほうがいいという女性もいる。彼女はどうなのだろうか。

「相手の年齢とかあんまり関係ないかな。たしかに若い人って体力があるから時間がかかる。だから回転したい人はおじさん相手でもそれなりに早く終わる人のほうがありがたい。それと若い人のほうが意外と長い時間一緒にいたい、みたいなのが多い。その見極めが難しい。若い人でも早く終わる人もいるし、やってみないとわからない」

客のメインは40代、みんなお金がないらしい。

「スーツ姿のサラリーマンでもお金がない。30代のちょっとスラッとした感じのサラリーマンもいるけど、そういう人たちでも1万円って人が多い。風俗より安いから立ちんぼってことだと思う」

売春価格1万5000円は風俗やパパ活と比較しても、立ちんぼの過去相場を振り返っても、圧倒的に安い。それでも街娼をするのは、短い時間で数をこなすことで売り上げを伸ばすという考え方のようだ。

男性の属性が中小企業経営者が中心のパパ活の場合、彼女だったら5万円以上は取れる。しかし、食事→ホテルというデートの形になるので時間がかかる。

長期的な人間関係を築くパパ活のほうが男性の質はいいし安全だが、大久保病院前に立っている彼女たちは、“不特定多数で手っ取り早く安価”という立ちんぼを選択している。