「果物はヘルシー」という思い込みは大間違い
果物ならヘルシーだろうと思っている人もいるかもしれない。
だが、その考えは、糖の性質を誤解していることになる。糖は糖だからだ。それがトウモロコシやビートの汁を結晶化した白い粉、すなわち砂糖であっても、オレンジを搾った液体、すなわち果汁であっても、まったく同じである。なかには、野菜(テンサイ)からつくられる砂糖もあるが、まったく違いはない。よい砂糖も悪い砂糖もないのだ。原料の植物に関係なく、すべての砂糖は同じである。
どんな植物からできていようと、グルコースと果糖の分子であり、体への影響は変わらない。そして、ビタミンが含まれることを理由に、果汁が有害であることを否定するのは、論点をそらそうとする危険な策略だ。
ただし、いくらか糖をとりたいなら、果物を加工せずにそのまま食べるのがベストである。まず、そのままで食べると糖の摂取量が少なくなる。スムージーなら1回分にリンゴ3個やバナナ3本を入れられるが、1回の食事でそんなには食べられない。たとえ食べたとしても、スムージーにして飲むよりかなり時間がかかるだろう。そのため、グルコースと果糖がゆっくりと消化される。つまり、飲むより食べるほうが時間をかけることになる。
スムージーにすると食物繊維の保護作用が無効に
次に、果物をそのまま食べると、糖と食物繊維が必ず一緒に含まれている。食物繊維は糖による血糖値スパイクを大きく減らすことができる。
果物をミキサーにかけると、食物繊維の粒子を細かく砕いてしまうので、保護作用が働かなくなる。ちなみに、これは噛んだときには起こらない。わたしたちの顎は力強いが、毎秒400回転する金属の刃ほどのパワーはない。ミキサーにかけたり、搾ったり、乾かしたり、濃縮したりして食物繊維を除いたとたん、糖はたちまち体に害を与え、血糖値スパイクを引き起こす。