※本稿は、浅野拓『健康寿命を延ばす「選択」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
甘いものやご飯・パン・めん類には中毒性がある
ほぼ糖質になりやすいのが間食です。血糖の上がりやすい私自身は、新型コロナウイルス感染症が流行したときに、糖尿病があると重症化リスクが上がることがわかり、それをきっかけにHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー/2~3か月の血糖値の平均を表す指標)を本気で下げようと思ったのですが、そのときに最初に取り組んだのが間食をやめることでした。
煎餅やポテトチップスといったしょっぱい系が好きで、間食に食べていたのです。
間食が常になっていた頃はフリースタイルリブレ(注)を使っていなかったので、当時のグラフをお見せすることはできませんが、おそらく食べるたびに血糖値がバーンと上がって、インスリンがたくさん出ていたのだと思います。
(注)グルコース値の測定器
煎餅やポテトチップスもそうですが、甘いものは食べはじめると、つい食べすぎてしまうことがありますよね。それは「報酬系」という脳内の刺激伝導回路が働いて、中毒性があるからです。脳内でドーパミンが出ているということ。このメカニズムはタバコやアルコール依存、ひいては薬物中毒の機序と同じということが分かっています。
ですから、「つい食べすぎてしまう」人はすでに糖質中毒に陥っている可能性があるので、私と同じように、まずは間食をゼロにすることをおすすめします。
間食は「減らす」のではなく「ゼロにする」
間食をやめられない、たくさん食べてしまう人ほど、「ゼロは難しいから、少なくしよう」と考えるかもしれません。でも、それではせっかくルールを作ったものの、それを違反したかどうかがわかりにくいので、続きません。その点、「間食をゼロにする」と決めたら、「食べたか、食べていないか」でルール違反がすぐにわかります。線引きがわかりやすいので、かえってルールを守りやすいのです。
最初のうちは口寂しくなることがあると思いますが、数週間も経てば糖質への執着心はなくなります。不思議と「食べたい」と思わなくなるはずです。私自身もそうでしたし、患者さんにもこの「ゼロルール」をお勧めし、そのような感想をよく聞きます。これは禁煙に成功した際に見られる現象にとても似ており、「まさに中毒なのだな」と感じます。
間食が原因で太ってしまう人はたくさんおられますが、私もその一人でした。ですがこの「ゼロルール」をやるだけで事実私は体重を10kg減らすことができました。