そんな館内で、子供の目がより輝くのが3階だろう。「マイカップヌードルファクトリー」は、自分でデザインしたカップに麺と好みのスープ、具材4種を入れてオリジナルのカップヌードルを作るコーナー。フィルム包装の工程も再現されて、プチ工場見学ができる。

「もっと深い体験をしたい方には、チキンラーメンファクトリーもお薦めです」と松尾さんが指さしたのは、家庭科教室さながらに調理台が並んだ部屋。ここではなんと、チキンラーメンを小麦粉から手作りできるという。参加は小学生以上で事前予約が必要だが、親子で楽しむにはぴったり。よし、挑戦してみよう!

手を洗い、用意された三角巾とエプロンをつけたら調理開始。スタッフの指導のもと2人1組で進行するから、調理経験がない子供やお父さんでも心配ない。

最初の工程は生地作り。小麦粉や山芋粉などに、練り水とかん水を入れてこねていく。粉の感触が気持ちよく、粘土遊びの気分。ラーメンの麺は小麦粉からできているということも一目瞭然だ。

続いて製麺機で生地を延ばす工程へ。といっても、ハンドルをクルクル~と回すだけ。子供でも簡単にできるから、途中で「やーめた」なんてことにならず、親も心穏やかにいられるのはありがたい。

しばし熟成させたらいよいよ切り出し。製麺機の切り刃に通せば、生地が麺へと変身だ。ものをいうのは、ハンドルを回す係と麺をハサミで切る係の息の合った連携プレー。親子の絆も深まる!?

その麺は蒸した後、チキンスープで味つけ。あとはスタッフに委ね、油で揚げて乾燥させる。この「瞬間油熱乾燥法」こそ、実はインスタントラーメンを生み出した偉大な発見。日常にも発明・発見のタネがあると実感できるわけだ。

香ばしいその麺は、自分でデザインした袋に詰めて完成となる。正真正銘、世界に一つ。手にした瞬間、小さいながらも達成感と感動がこみ上げる。まさしく、体験に勝るものはなし。これを機に、子供が料理に興味を持ち、お手伝いをするようになったら万々歳である。