大きな夢を持っている若者が時間をかけずにそれを叶えるにはどうしたらいいのか。課題のひとつは費用の捻出法だ。戦略コンサルタントの佐々木裕子さんがお金のない大学生が2000万円の費用がかかるエベレスト登頂を目指すという想定を立て講義形式で解決策を探っていく――。
※本稿は、佐々木裕子『実践型クリティカルシンキング 特装版』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
21歳の大学生がエベレストに登るには?
あなたは21歳、大学生です。山登りが大好きで、中学から大学まで山岳部に入っています。どうしても若いうちに早くエベレストに登頂したい。
でも、エベレストに登るには、
・2000万円の登山費
・高所登山の豊富な経験~8000メートル級の山に登る=低酸素で登山できる体~
が必要です。あなたなら、どうする?
まず、2000万円かかる。これはどうやらほんとうのようです。まず、登山料やルート使用料、ベースキャンプの使用料などがかなり高額です。さらに、シェルパ(ヒマラヤ登山の案内人)を雇う必要があるので、彼らの人件費。
実は、エベレスト登山って登っている期間がすごく長い。一気に8000メートルまで行くと肺が爆発してしまうので、ちょっと登って下りて、またちょっと登って下りてというのを繰り返して体を慣らしていくのです。
ちなみに、徹底して体を鍛え、高所トレーニングをしてエベレストにチャレンジしても、成功率は2割なんだそうです。かつ100人にひとりは死亡している。山が高すぎてヘリコプターも飛べないので、遺体はずっとそこに凍結。そういう厳しさもある。
さて、どうしましょう? というのが質問です。
まず2000万円の費用はどうしますか。学生です。お金持ちじゃありません。
じゃ、今回は少し丁寧に、手順を踏んでやっていきましょう。