ファッション誌の表紙を飾った「セレブのわき毛」
暑さもピークを迎え、薄着で過ごす日が続いている。ここ数年、この時期になると欧米メディアでは「体毛の処理」の話題がしばしば取り上げられ、議論が巻き起こる。
女性が手足や脇の毛を剃ったり、脱毛したりすることは「常識」のように受け止められてきた。しかしその「常識」に疑問を投げかける声は年々高まっているように思う。
先陣を切って声を発信しているのは、主にアメリカの女優やシンガーなどのセレブたちだ。今年は米ファッション誌『ヴォーグ』2022年8月号の表紙が発端になった。
Emma Corrin first rose to fame by portraying a genteel, distinctly British vision of femininity, even as they discarded that same ideal of femininity in their own life. https://t.co/O1KWicABq5 pic.twitter.com/KqnpQgsQ3N
— Vogue Magazine (@voguemagazine) July 6, 2022
ドラマ『ザ・クラウン』で故・ダイアナ妃と瓜二つの姿が話題となったイギリス女優、エマ・コリンが、自然のままの脇で表紙を飾った。爽やかな笑顔をカメラに向けながら、キャップに手を添え、腕を上げるポーズとなっており、タンクトップの裾から処理していない脇がのぞく。
日本でもしばしば議論が巻き起こる女性の「体毛の処理」は本当に必要なのだろうか。海外報道を見ていくと、体毛に関する人々の考え方に変化が起きていることが読み解ける。
イギリスで「処理しない派」がじわり増加中
今年話題となったイギリスのエマ・コリンの他にも、こうした動きはアメリカのセレブを中心に活発だ。イギリスでも一般紙や芸能誌などを通じて拡散している。その影響か、イギリスの若い女性のあいだでも、脇を「処理しない派」が増えているようだ。
その傾向は、この数年にわたってじわり広がり続けているようだ。英テレグラフ紙は2017年、英市場リサーチ会社のミンテル社による調査結果を報じた。
同記事によると2013年の調査では「脇を処理している」と答えた16歳から24歳のイギリス女性は、95%と圧倒的大多数を占めていた。ところが3年後の2016年の調査では、この割合が77%に急落したという。