2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年2月27日)
オンラインでのやりとりでは、わかりやすい論理的な話し方や言いにくいことも自分の言葉で伝える能力が必要とされます。言葉に力と重みがあり相手にしっかりと伝えられる人は、何が違うのでしょうか。コミュニケーション講師の桑野麻衣さんが勧める、言語化能力の高め方とは——。
※本稿は、桑野麻衣『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
「言葉に力がある人」は何が違うか
あなたの周りには「言葉にエネルギーがあるな」と思える人はいますか?
言語化能力に優れている人の一つの特徴として、言葉にエネルギーがあるというのが挙げられます。では、言葉にエネルギーがある人というのは具体的にはどのような人を指すのでしょうか?
いろいろな答えがあると思いますが、私は「自分の言葉で語れる人」の放つ言葉にエネルギーを感じることが多くあります。
さらに掘り下げていくと、自信を持って自分の言葉で語れる人というのは、何かしら「断定」する表現を使っています。それは決してきつい語調で相手を否定したり、上から目線で物事を決めつけたような言い回しということではありません。
どのようなことに対しても第一声から「私は~が好きです/嫌いです」「私はA案に賛成です/反対です」と自分なりの明確な答えを持ち、人前で言い切ることができるという意味です。
「どっちでもいいや」が口癖になっていませんか?
実際には何でもかんでも白黒はっきりつける必要はなく、むしろ社会ではグレーゾーンが必要なこともあります。私自身も自分のことにはグレーゾーンをあまり作らないものの、他人に白黒はっきりつけるよう強制することはもちろんしません。ただ、そのグレーゾーンも自ら考え抜いて選んだグレーゾーンなのか、自分の意見を持つことから逃げてグレーゾーンになってしまったのかでは大きく意味が違ってきます。
日々生きていて「どっちでも良いや」「何でも良いや」と思った瞬間、私たちの思考は停止し、言語化する必要性がなくなります。
結果として、言語化能力は磨かれることもなく、エネルギーのある自分の言葉は失われていってしまうのです。