話がまとまるタイミングでちゃぶ台返しする人には…

このようなときは、「リスクはどこにでもある」ことをその場で周知させた上で、次のような質問で切り返します。つまり、「やるリスク」よりも「やらないリスク」のほうが高いことを示すのです。

「これを進めなかった場合、○○なリスクが生じる可能性があることが分かっているのですが、それについてはどう対処するつもりですか?」
「リスクがゼロである企業活動はあるのでしょうか? むしろ、今回の議題では、やらないという選択肢をとることこそが機会損失でありリスクだと考えていますが、部長はどうお考えですか? ライバル企業に先んじられても良いとお考えでしょうか?」

加えて、そろそろ話がまとまりそうなタイミングで前提をひっくり返そうとしてきた場合は、次のような質問で切り返します。つまり、タイミングの異常さを論点にするのです。

「なぜ、このタイミングで必要性をご質問されたのでしょうか? これまでにも意見を出す機会はあったのに、今ご質問された理由を教えていただけないでしょうか?」

ビジネスチームで働くミーティングルーム
写真=iStock.com/Yagi-Studio
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あえて空気を読まず押し切る方法もある

さらに、「失敗されたらめんどうだな」という本音が潜んでいる場合もあります。例えば、「そもそもさ~、それって上手くいくの?」のような発言があったケースです。

このようなときは、次のように「やりたくない」と回答できない質問で切り返します。「そもそもオジサン」を巻き込んでしまうのです。「正直なところ、部長ご自身はこれをやりたいのか、やりたくないのか、どちらでしょうか? もし、本音ではやりたいと思ってくださっているのでしたら、成功確率が上がる具体的な方法をご教授いただけないでしょうか?」

あるいは、あえて空気を読まず、次のようなセリフとともにテンション高めに笑顔で切り返すのも効果的です。

「うまくいくかどうか分からないからこそ、やる価値があると思いませんか!?」

尻込みする相手には「手柄」をほのめかす

最後に、「そもそもオジサン」が尻込みしている「ビビり」パターンについてお話しします。

「そもそもさ~、この件は誰が責任とるわけ?」のように、責任の所在に対して過敏に反応してくるような場合の対処法です。このときの「そもそもオジサン」の本音は、「オレは責任を取りたくない」です。自分の保身です。

このようなときは、「責任ある=実績になる」の構図を暗に示し、相手にインセンティブを与えてみましょう。例えば、次のように、相手が「ノー」と言いにくいような質問で切り返すのがコツです。

「今回のプロジェクトは、自社の中でこれまでにない取り組みであり、これが上手くいけば部長のご実績にしていただければと思っていたのですが。それはご迷惑になりますか?」