「セルの書式設定」がわからない

スキルを身に着けるには、グーグルやヤフー質問箱に大変お世話になりましたが、慣れないうちは時間がかかってしょうがなかったです。

「エクセルで枠からはみ出ないようにするにはどうしたらいいですか」と質問すると、「セルの書式設定で『折り返して全体を表示する』を選択してください」と答えをもらえます。でも、セルは辛うじてわかるものの、「書式設定」がわかりません。

オフィスでノートパソコンを見る男性
写真=iStock.com/RRice1981
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そこでまた「セルの書式設定とはどうやるんだ」と聞くと「書式設定ダイアログボックスを表示してください」との答え。今度は「その、ダイアログボックスっていうのはなんなんだ!」「日本語で言えんのか!!」と画面に向かってキレます。そうこうするうちに終電の時刻が近づいてきて、慌てて駅に走るということがしょっちゅうでした。今となっては笑い話ですが、当時は本当に、そんなことの繰り返しでした。

そんな有様ですから、本来なら僕が整えるべき資料でも、最後は誰かに頼らなければなりません。思いだけが先走っても肝心のスキルがなければ、いつまでも役に立つことができず、誰かの足を引っ張ることになる。「お願いします」を繰り返しながら、資料を作ってもらう日々が続きました。

勝手にグラフができあがる「魔法のキー」を見つけられた

それでも毎日毎日エクセルと格闘していると、少しずつでもいろいろなことを覚えることができるようになりました。そして、あの魔法のキーの存在を発見することになります。

「F11」です。

このキーを押すだけで、たちどころに素敵なグラフが勝手にできてしまうなんて……誰か、早く言ってよ! と感動しました。なんというありがたいキーでしょう。まるで自分が魔法使いになったような錯覚に陥りました。

あれこれクリックするうちに、グラフの色を変えてみたり、棒グラフから円グラフに変換してみたりと、次第にいろいろなパターンも使えるようになって、お陰様でスキルは格段に上達しました。

特別高度なことはできませんが、必要最低限のことなら一人でもできるようになって、我ながらあっぱれです。一度は別れたエクセルですが、今はおかげさまで良い関係が続いています。