居眠りをして怒られた!

悪いことは重なるものです。

それは、ケアカンファレンスという会議での出来事でした。医師や看護師、ソーシャルワーカーなど、多職種が一堂に集まって、近々新たに利用を始める子どもたちの個々の病状やケアの注意点などを情報共有するのが、もみじの家のケアカンファレンスの目的です。

医療用語に関しても素人に毛が生えたようなレベルだった僕は、看護師たちが話している言葉がさっぱりわからないことが日常茶飯事でしたので、専門用語を学ぶ機会として参加していました。しかし、意気込みだけで太刀打ちできるほど甘い世界ではありません。

僕は自分のパソコンを持ち込んで、わからない言葉が出たら、その都度調べながら、会議に臨んでいましたが、聞いたことのない病名や難解な単語が次々と飛び出すだけでなく、ポンポンポンポンすさまじい速度で繰り出されるので、とても検索が追いつかず、戸惑うばかり。僕だけが意味を理解しない言葉が、右から左へただただ流れていきます。

すると、何が起きるかというと……次第に眠くなってくるんです。

もみじの家がオープンして1年位は、慣れない作業にてこずり夜遅くまで仕事をして、帰宅時間が23時を回ることもざらでした。睡眠時間も当然短かくなり、そんなヘトヘトなところにわからない言葉だらけの会議をされた日には、もう子守唄にしか聞こえません。

毎回、なんとかギリギリの線で踏みとどまっていましたが、ある日、カンファレンスの途中で……ついにやってしまいました。会議中に、しっかり眠っちゃったんです。もう、それこそオチるという感じです。押し寄せる睡魔に「これはいけない」と思いつつも、全然、何を言っているかわからないし、気づかぬうちに寝ていました。

クイック充電時間
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです

当然、会議の後、「なんで、会議中に寝てるんですか!?」とガッツリ怒られて、めちゃくちゃ絞られました。居眠りして怒られるなんて小学生並みです。情けないやら恥ずかしいやら……。

居眠り事件を筆頭に、とにかく怒られることが多くて、自分は新人なのでしょうがないと頭ではわかっていても、それはそれで、結構凹みます。この歳になって、こんなに怒られるなんて思わなかったし、上からも下からも怒られて、やっぱりちょっとしんどかったです。でも僕が至らないことが原因だから、我慢するしかない。すみません、と頭を下げて謝るしかないわけです。本当に凹みましたし……帰宅後の酒が進みました。