2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年4月27日)
有能なビジネスパーソンの条件とはなにか。実業家の堀江貴文氏は「処理能力が低い人に限って、メールに『お世話になっております』などと書いている。読んでいるだけでイライラさせられる」という――。

※本稿は、堀江貴文『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)の一部を再編集したものです。

実業家の堀江貴文氏
写真提供=小学館集英社プロダクション
実業家の堀江貴文氏

遅くて長いメールは相手の時間を奪う行為だ

有能なビジネスパーソンの条件とは? 第一に挙げられるのは、レスの早さだ。

多くの案件を抱え、たくさん稼いでいるビジネスパーソンほど、メールは即レスを心がけているという。レスのスピードが能力とどのように関係しているのかわからないが、たしかに僕の周りの優秀な人は、みんなレスが早い。しかも内容が端的だ。

僕もスタッフなどから質問のLINEが来たら、すぐに「おけ!」「りょ!」と、短く返信する。心がけというより、それぐらいの返信で済むような案件しか僕のところには届かない。だったら1秒でも早く返すのが、当たり前だろう。

メールのレスが遅く、しかも内容がグダグダと長い人は最悪だ。そういう処理能力が低い人に限って、「大変お世話になっております」「お待たせした無礼を深くお詫び申し上げます」など、本題にスッと入らず、読んでいるだけでイライラさせられる。

メールの送り手は、礼儀正しい返信を、期待しているのではない!

問い合わせの返事が秒速で戻ってくるのを、期待しているのだ。

遅いうえに長いメールは仕事の工程のテンポを落とすだけではない。相手の時間を奪う、悪質な行為だと思ってほしい。体裁とか礼儀とか、手紙じゃないのだから、どうでもいいだろう。メールは、ひと言で即レスを心がけよう。

打ち合わせやスケジュール確認はLINEで済ませている

そもそもメールを使う必要が、あるのだろうか?

LINEやSlack、Messengerなど、短いコミュニケーションを高速でやりとりできるアプリを組み合わせれば、連絡業務は充分回せるはずだ。テキストや図版をチェックすることもできる。長い文章向きではない仕様だから、必然的に文章を短くまとめる技術も磨かれると思う。スマホのSNSアプリで連絡事項がすべて回せないようだったら、仕事の最適化がまだまだ足りていない証拠だ。

僕は電話で重要なビジネスの案件を打ち合わせたり、スケジュールを確認することはまずない。すべてLINEで処理している。LINEのいいところは、スピード感だ。ほぼ話しているのと同じスピードで、言葉のやりとりができる。「ん?」とか、「えーと、ちょっとこれは……」など、微妙なニュアンスも伝わりやすい。議事をグループで共有できるのも便利だ。テキストが残るから、記録になる。近年は西村博之さんなどとの、対談の仕事もLINEでこなしている。

いまのところコミュニケーションの手段は、LINEがベストだ。コロナパニック以降は、Zoomも浸透した。もう場所に出向く面倒は、負わなくていい。

新しいサービスが今後台頭してきてどうなるかはわからないけれど、「相手の時間を奪う」電話のようなツールは、もう役目を終えているだろう。