週休2日で、毎月300万円を自由に使える世界

前項で列挙した項目は全てスモールビジネスが与えてくれると書いた。

こんなうまい話があるか、と言われそうであるがこれは現実にある。そして実現のハードルは決して高くない。

私は様々なスモールビジネスオーナーとの付き合いがあるが、先に挙げた事項を高い水準で満たしている人間は大勢存在する。当然生存者バイアスがかかっており、全員が容易に到達出来ることではないが、非常に難しいことか、特殊な技能が必要かと問われればそんなことはない。

自由に使える金を月300万円以上持ち、週2日は休めて平日の仕事時間も柔軟に調整出来る。ビジネス起点で多くの出会いがあり、自分が面白いと思う仕事を追求している。こんな人間はスモールビジネスの世界には大勢存在する。

まずはビジネス初心者としてこの程度を目指してみるのはどうだろうか。

ピン札を数える人の手元
写真=iStock.com/shirosuna-m
※写真はイメージです

この地点に到達した後は多くのオプションが存在する。

安定・着実のスモールビジネス経営を続ける経営者も人間もいれば、安定に飽きてリスクを高め、ベンチャービジネスに乗り出す人間もいる。

ベンチャービジネスの成功者の中には、スモールビジネスでの成功を経てベンチャービジネスに乗り出した事例が多く存在する。スモールビジネスを売却してしばらく休憩する人間もいる。

スモールビジネスのひとまずの成功は様々な生き方へのパスポートである。

外部の株主もおらず成長の義務も売却の義務も背負っていない。自分の生き方を高い自由度を持って選ぶことが出来るのだ。

スモールビジネスに向いていない人

スモールビジネスに向いていない人の特徴を最初に挙げよう。

・信頼を大切にしない
・自律性がない
・好奇心、学習意欲がない
・リスク選好姓があまりに低い

これを裏返せばそのままスモールビジネスに向いている人の特徴になる。何故これらの要素が重要なのか簡単に説明しよう。

・信頼を大切にしない

技術などで決定的な差別化手段を持たないスモールビジネスにとって、人との繋がりは最重要とも言える差別化要素になる。人との信頼を積み上げる事ができない場合、スモールビジネスの経営は非常に難しいものになる。

・自律性がない

スモールビジネスオーナーは自らタスクを考え、こなしていく必要がある。それが出来なくても叱ってくれる人はいない。発注がなくなるだけである。タスクがないと昼まで寝てしまうような人はあまり向いているとは言えないだろう。

・好奇心、学習意欲がない

永続的なビジネスは存在しない。1つのビジネスが成功したとしてもスモールビジネスの寿命は数年である。常に新たな機会を探索し取り組む必要がある。そのために好奇心、学習意欲は必須なのだ。

・リスク選好姓があまりに低い

ベンチャービジネスのように大きなリスクは取らずとも、安定したスモールビジネスは絶え間ない投資活動により実現する。動いていないから安定するのではなく、細かい投資を繰り返すことで安定するのだ。この状態を目指すにあたり、数十万円の投資も許容出来ない程リスク選好姓が低いことは致命的である。