褒められたい欲求を排除し、大企業のゴミ拾いをする
基本条件4.称賛されない
取り組んでいること自体を称賛されるビジネスはその時点でかなり危うい。まず称賛されるビジネスは、市場機会に対し過剰な参入を招く。更に言えば困難な課題に挑むことが称賛される場合が多く、これは成立しづらいビジネスであることを意味する。
ビジネス全般に共通であるが、「褒められたい」というビジネス自体に不要な欲求を経営者自身が排除することにより、成功率を高めることが出来る。褒められた所で全く儲からない。不必要な感情からは自由になり、素直に利益のみを追求しよう。
基本条件5.既に類似サービスに金を払っている市場が存在する
「既に市場が存在する」ということは、あなたが提供しようとしている商品・サービスには競合が存在し、金が支払われていることを意味する。
これは非常に重要なポイントであるが、見落とされる傾向が強い。ビジネスというと課題解決が最重視されるが、課題を解決した結果、どの程度儲かるのかは常に事業検討の最終段階に設けられる。
とにかくまずは、類似サービスにどの程度金が流れ込んでいるかを知ろう。全く新しいものに金を払えというのは非常にハードルが高く、投資家のピーター・ティールが提唱したように、スイッチングを引き起こすには従来手法よりも10倍良いものである必要がある。新しいものは従来のものよりも画期的である必要があるのだ。
スモールビジネスではそんなことを追求しない。既に金が払われており、サービス提供者も儲かっている状態の市場に参入し、その金を少しかすめ取る方法を必死に考えて実行するのがスモールビジネスである。大企業は大量の機会損失を出している。そのおこぼれを貰うだけで数億円の売上は立つのだ。エクセレントカンパニーのゴミ拾いをしよう。
鉄板のスモールビジネスの9業態
儲かっているスモールビジネスオーナーのビジネスモデルは似ていることが多い。前項で説明した基本条件の1〜5全て満たすビジネスが少数ということだろう。
私の周囲の儲かっているスモールビジネスオーナーは、以下のビジネスを行っていることが多い。
・広告運用(D2Cを含む場合もある)
・人材派遣・SES(広義の人材派遣を指す。常駐型コンサルティングを含む)
・コンサルティング
・システム開発
・不動産運用
・営業代行
・教室
・フリーランスマッチング
本書で紹介する領域選定と組み合わせれば、これらのビジネスは上で挙げた条件を満たすことが比較的少ない資本で、前述した基本条件1〜5を満たすことが可能である。他にもスモールビジネスに適しているビジネスがあると思うが、まず上のモデルを検討してみてはいかがだろうか。
とにかく、小規模ながら安定・着実に稼いでいるスモールビジネスを発見したら、マイナーチェンジコピー品を作れないだろうか? と考えて欲しい。
このとき、ビジネスモデルに差別化を求めるのではなく
・仕入先
・そこに関連するコンテンツ
こそが差別化を生むと考えよう。