※本稿は、武田所長『スモールビジネスの教科書』(実業之日本社)の一部を抜粋・再編集したものです。
目立たないがストレスのない日々を送り安定・着実に稼ぐ人々
私は新卒で外資系コンサルティングファームに入社し、独立後、様々な立場で多様なビジネスに取り組んできた。テクノロジーを武器としたリスクの高いベンチャービジネス、多くの社員を雇用し組織の能力で勝負するビジネス、比較的大きなアセットを活用する不動産運用に近いビジネスなど多岐に渡る。
その中で意図しなかったタイプのビジネスとの出会いがあった。それがスモールビジネスである。
独立当初は多くの起業初心者と同じく、野心的な気持ちで大きな会社・大きな売上を目指した。数年の期間を経てようやく事業は軌道に乗り、安定した利益を生み出せるようになったが、その分、マネジメントや金融機関・株主との付き合いで相応の苦労があった。
一方、適当な気持ちで週末の時間だけで始めた、社員も雇用していないようなビジネスがいとも簡単に年間数千万円の利益を生み出していった。このビジネスは一過性で終わるどころか顧客からの強いニーズを受け、安定的に利益を拡大させ続けている。
徐々に属人性も低下し、自分が費やす時間も減り続けている。これが素晴らしいスモールビジネスとの出会いであった。
こうしてスモールビジネスの可能性に気付いてから複数のスモールビジネスに取組み始めた。それらも容易に利益を生み出していった。自らの経験のみならず、決して目立たないが、非常に多くの人がスモールビジネスで成功を収め、ストレスのない日々を送っていることも知った。
ビジネスの世界で目立つのは大企業とベンチャービジネスであり、小規模ながら安定・着実な経営を実現しているスモールビジネスが表舞台に出ることはほとんどない。
しかし、そこには素晴らしい世界が広がっていることをスモールビジネスに自分で参入し、初めて知ったのだ。
本書はこのようなスモールビジネスをどのようにして生み出すかという具体的な方針を解説した本である。