ビジネスを成功させるには「儲けのカラクリ」の把握が大切だ。そうした情報はどうすれば手に入るか。20以上のスモールビジネスを展開してきた経営者の武田所長は「『儲かっている』会社を探すため、私は5つの情報チャネルを使っている。とりわけ上場企業のIR資料は宝の山だ」という――。

※本稿は、武田所長『スモールビジネスの教科書』(実業之日本社)の一部を抜粋・再編集したものです。

PCに向かうアナリスト
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類似ビジネスに取り組む企業の営業利益を見る

スモールビジネスのアイデアを考えるために、前回の記事で探査領域の選定が終わったら次は戦略構築ステップ2として、探査領域において儲かっている企業を発見し儲かる手法を知ることだ。

前提としての注意だが、ここでの「儲かっている」とは営業利益である。

儲け方にはベンチャー業界ではよく見られるように営業利益ではなく株を売却する方法もある。この場合ARR(年間経常収益)、売上総利益、ベンチマーク上場企業のコンプス(同業他社の比較分析)などである。

この場合、営業利益は重要でなくなるのだが、初心者がスモールビジネスから金を得るために最も確実な手法が営業利益から金を受け取る方法である。

武田所長『スモールビジネスの教科書』(実業之日本社)
武田所長『スモールビジネスの教科書』(実業之日本社)

株を売却する方法で儲けたくなったとしても営業利益さえあれば売却先は見つかる。

単純に考えれば営業利益が、自分が目指したくなる規模以上に出ている会社を発見すればよい。目安として、自分の目標営業利益の10倍以上儲けている会社が容易に多数発見出来る領域を最低基準とするとよいだろう。

自分が対象とするものと類似したビジネスで儲かっている会社が発見出来ない領域、ないしD2Cなどが代表格であるが、参入企業数に対して儲かっている割合があまりに少ない領域は危険領域であると考えよう。

何故そうなのかを深く考える必要はない。他人がやって無理なものは自分にも無理なのだ。