投資家向け・採用広報向けに出される情報は守られている

情報チャネル2.非上場企業の決算

非上場企業の場合はどの程度儲かっているのか、外部からの把握が難しい。ただこの場合でも、決算情報を官報に掲載された情報から入手出来る場合がある。

入手出来る情報は上場企業よりも少なくなるが、検討対象領域の企業業績は可能な限り調べよう。儲かっていないことが分かったら、その理由についても把握し同じ失敗をしないようにするべきだ。

官報から入手可能な決算情報はかなり断片的である場合が多く、単体では結論を出すことが難しい。私が主に注目しているのは純利益・利益剰余金あたりで、他の項目は単体で意味を持ちづらい。

デスクの上に積み上げられた報告書の束
写真=iStock.com/smolaw11
※写真はイメージです
情報チャネル3.投資情報

どこかに投資がなされているのであれば、そこには何らかの根拠が存在していることを意味する。特に大規模な投資が実行される場合には根拠となる数値が必ず存在する。

ベンチャーに対する投資や非上場企業による投資活動の場合、数値自体は導入社数など部分的にしか確認出来ない場合が多いが、「何らか投資の根拠となる数値がある」と理解しておくとよいだろう。

ただしベンチャー投資の場合は注意が必要だ。ある程度規模のある調達がなされたとしても、ベンチャービジネスの成功率は高くないため、必ずしも儲かるチャンスがあると保証するものではないのである。

情報チャネル4.企業によるリリース

企業は営業・マーケティング、投資を集めるためなどの目的で自社の状況を部分的に開示する。例えばある企業の商品やサービスの単価を営業資料から把握し、導入社数をマーケティング用のWEBサイトなどから把握することが出来れば、おおよその売上が推定出来る。

ただマーケティング用のWEBサイトはほとんどの場合盛られているため、実態はかなり割り引いて評価する必要がある。「導入社数(デモを含む)」となっている場合も珍しくない。

これらの企業が出す情報の収集は出来る限りやるべきである。

営業資料のダウンロードやデモ利用は当然として、知人経由でもサービスの実態に関する情報を集めよう。全力で収集すれば相当多くの情報が入手出来ることに気づくだろう。

注意点であるが、投資家向け・採用広報向けに出される情報と実態の情報はかなり差がある。基本的にはやはり盛られているのだ。