①個として立つ

「個として立つ」は、メンバーが、「自律的な職務遂行や協働を通じて、組織が目指す方向性に沿った良い動きで成果を上げている状態」を指します。個として立つメンバーは仕事への適応感や効力感を感じるとともに、メンバーに対する良い評判、ブランドが蓄積されることで、社内の人から声がかかって、新たな成長や挑戦の機会が生まれます。

「個として立つ」は、「自律的職務遂行」と「自律的協働」、そして「セルフブランディング」から成ります。

「自律的職務遂行」とは、一般的に「自律」という言葉から想起されるイメージに近いと思います。自分を律して適切に職務を遂行し、完遂することです。

「自律的協働」とは、マネジャーやハブとなる人材の介入がなくても、メンバーが必要に応じて様々なメンバーと一緒に仕事をして成果を上げることを指します。

「セルフブランディング」とは、文字通りメンバーのブランドを立たせることですが、ブランドといっても、「その道の第一人者」といったような尖ったブランドである必要はありません。たとえば、営業職の補佐をしている人であれば、「既存のお客様への一次対応が完璧」といった日常に根差したものでも結構です。また、ブランドという言葉を使ったのは、「周囲に知られる」ということが大事だからです。

リモートワークでは、誰かの仕事ぶりを偶然目にして、このような仕事の仕方をするのだな、ということを判断するのは難しいです。よって、何ができる人か、得意な領域は何か、どんな仕事ぶりの人かということを、別の方法で周囲にもわかってもらうことが大切です。

「個として立つ」を支援するリモートマネジメントとは、まさに、メンバーの「自律的職務遂行」と「自律的協働」、そして「セルフブランディング」を対象にすることになるのです。