原則出社の部署とリモートワークOKの部署。同じ会社内で生じる不公平感に、マネジャーはどう向き合えばいいのか。リクルートマネジメントソリューションズの武藤久美子さんは「このケースで注意が必要なのは、メンバーたちが本当に言いたいことは『私たちもリモートワークがしたい』ということではないかもしれない、ということです。『うちの部署でリモートワークは難しい』と一蹴すると平行線に終わってしまいます」という――。

※本稿は、武藤久美子『リモートマネジメントの教科書』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

前回はリモートマネジメントとは何かを紹介しました。本稿では、リモートマネジメントで悩ましい3つのケースと対応策を取り上げます。

お悩み①盛り上がらないオンラインミーティング

マネジャー「うちの部署でもすべてのグループミーティングはオンラインに切り替えました。しかし、メンバーからの発言はないし、結局一方的に私が話しているだけなのです。メンバーの反応もないので、私自身、みんな聞いているのかが不安になります。実際にミーティングに参加しながら他の作業をしていそうなメンバーもいます

ビデオ会議で眠い退屈な従業員
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グループミーティングの場が、マネジャーの独演会になってしまう。これは、対面のときはうまくミーティングを運営できていたマネジャーにも起こりがちです。参加者であるメンバーの反応が見えないので、自分が話すことで沈黙を埋めようとしてしまうのです。

このケースでの対応策は、まず、マネジャーもメンバーもオンラインミーティングの作法に慣れることです。以下でご紹介するのは、週次や隔週の頻度で行われるグループミーティングを想定した作法の例です。なお、意思決定場面などは対面やリモートかに関わらず、ミーティングの前・中・後の設計が必要です。