昨年の衆院選では「30議席増」の大躍進
日本維新の会(以下、維新の会)に対する週刊誌の“攻撃”が激しさを増しているが、なぜか、新聞、テレビは沈黙したままである。
昨秋行われた衆院選で維新の会は、30議席増やして41議席になった。2012年にも54議席を獲得しているが、その時以上のインパクトを永田町のみならず、国民の間にも与えた。
それが、時代の空気を読むことに長けた週刊誌のアンテナに引っかかったのだろうか。
7月には参議院選が行われる。そこでも議席増(現在16議席)を勝ち取れば、自公の間に隙間風が吹いているといわれる中、結果いかんでは、自・維連立政権が誕生するかもしれない。
大阪で始まったローカル政党が政権与党に成り上がれば、政界のシンデレラ物語と囃されるかもしれない。
しかし、いまでも実質的な代表といわれる橋下徹弁護士は、安倍晋三元首相や菅義偉前首相と親しい関係であることは、よく知られている。
塩田潮氏の『解剖 日本維新の会』(平凡社新書)にはこうある。
維新の会に怯える大新聞は当てにならない
「安倍が首相在任中、維新との連携を重視し、協力関係の維持に腐心したのは、最大の達成目標といわれた憲法改正への挑戦戦略が影響していたのは疑いない。安倍は宿願の改憲実現に強い意欲を示した。維新を『改憲の友党』と位置づけ、共同歩調に期待を寄せた」
岸田文雄首相も最近「改憲」をいい出している。憲法改正に前向きではない公明党を切り捨てて、自民党の補完勢力として、維新の会を取り込もうという底意が見え見えである。
幅広い支持を広げてきたとはいわれるが、維新の支持者は圧倒的に大阪を中心とした関西圏である。ローカル政党に憲法改正のイニシアチブをとらせていいのだろうか。
そうした有権者の素朴な疑問に大新聞は答えるどころか、維新の会の躍進に怯えているようにさえ思える。読売新聞などは大阪本社が大阪府と「情報発信」や「地域活性化」など8項目で「包括連携協定」を結んでしまった。
これからは批判は致しません、読売は大阪府の広報紙になりますと宣言したのも同然ではないのか。
週刊新潮や週刊文春が報じている維新のスキャンダルを読む限り、寄せ集めの素人集団のような党が、国政で重要な役割を果たせるとは思えないのだが。
いくつか最近の記事を要約して紹介してみよう。