「医療機関がワクチンを接種すると、接種費用として1回当たり2070円、条件を満たせばそれとは別に補助金が3000円、計5070円が国から支払われます。『ただクリニック』が供給された1万9890回分を打ちきったとすると、約1億円分を得た計算になります」(政府関係者)

地方自治体職員は、「小規模クリニックが2万回分の供給を受けるなんて、何かウラがあるとしか思えません」といっている。

当該のクリニックは、大型接種会場で2回の接種を行っているが、大阪維新の会の創設メンバーで日本維新の会・参院国対委員長を務める東徹参院議員のツイッターでは、「維新のイメージカラーである緑の服を着た人たちが、カメラを向けられると、ガッツポーズのような仕草をしたり、目を細めて笑顔を作ってみせる」動画がアップされたという。

新型コロナウイルスのワクチンを受ける若い女性
写真=iStock.com/show999
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「何でもあり」のやりたい放題といわれても致し方ない

別の動画には、会場でボランティアをしている東議員の動画もアップされている。

「これは完全に政治的アピール。大阪以外の都市でこんなことが行われたら批判の嵐になるはずです」(地方自治体職員)

新潮によれば、東議員の政治資金収支報告書には、「ただクリニック」多田均院長名義で毎年寄付がなされていて、2020年までの6年間で計33万円になるという。接種会場を提供している不動産会社の代表取締役も東議員に寄付をしていて、ブログでは同議員を応援している旨を堂々と記しているそうだ。

これでは、週刊新潮がいうように、維新一強の大阪では、維新は「何でもあり」のやりたい放題といわれても致し方ないのではないか。

それにお調子者のメディアが“癒着”している。先に触れた、維新の会の3人を出した毎日放送は、政治的公平性を問った週刊新潮の報道で、慌てて調査チームを発足させた。

3月11日に、「担当者の政治的公平性に対する認識が甘く、番組内でのバランスのとり方が極めて不十分であった」とする概要を発表したのである。

後ろ指をさされることがないか自問してはどうか

かつて、お笑いトリオのメンバーであった横山ノックが大阪府知事になったことがあった。1995年のことである。

人気はあったが、府政には未知数だった。だが、府の赤字解消を目標に掲げて、それなりの成果を上げ、2期目の選挙では自民党など主要政党が対立候補の擁立を見送ったため、235万票という大得票で当選を果たした。