新病院建設をめぐる「疑惑取引」に吉村氏が関わる?

「維新すり寄り『医療グループ』に『疑惑の私有地取引』」(『週刊新潮』2月24日号)

近い将来、日本維新の会のトップになるであろう吉村洋文大阪府知事についての記事。JR大阪駅から徒歩10分ぐらいのところに、大阪市水道局の扇町庁舎跡地がある。広さは9000平方メートル。そこで、大規模な再開発工事が行われている。

医療法人・医誠会や不動産大手「ヒューリック」などのグループの谷幸治理事長が、医誠会と城東中央病院を移転統合して、総合病院を開設するというのである。

だがこの計画に、大阪府医師会が猛烈に反対しているそうだ。なぜなら、この地域がすでに過剰病床状態にあること、新病院が560床すべてを、カネの取れる高度急性期病床にしようと計画しているからだという。

病棟の廊下に設置された移動式健康診断機器ユニット
写真=iStock.com/ThamKC
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地元病院側の思惑もあるのだろうが、こぞって反対して話し合いをしているのに、昨年6月、突然、新築工事が始まったというのだ。

この土地の事業予定者は、吉村知事が市長のときの2018年、公募型プロポーザルで医誠会に決まったが、一等地にもかかわらず、手をあげたのはそこだけだったという。それは、市側が「住居の用に供することは不可」という縛りをかけたため、高層マンションを建てようとしていたデベロッパーが参入できなかったからだそうだ。

事業予定者が決まる前後、医誠会の関連財団が大阪府に多額の献金をしていたという。

地元医療界は、吉村知事による勧告・命令を出すことを求めているが、府側の担当者が、勧告はできないといい出したそうである。何らかの“配慮”があったのかもしれない。

「IRにカネは出さない」と断言したウソ

「維新『大阪カジノ』に三つのウソ」(『週刊文春』3月24日号)

週刊文春によれば、カジノ誘致は橋下徹氏が府知事時代に執念を燃やしていたらしく、それを引き継いだ吉村知事もご執心だそうである。

初期投資は1兆800億円だが、維新は府議会で過半を占め、市議会では公明党が賛成に回ると見られているから、「同意が確実視」(政治部デスク)されているようだ。

IR(カジノを含む統合型リゾート)事業者には米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスを中心に、関西地元企業も株主に加わる「大阪IR株式会社」が約5300億円を出資し、残りを三菱UFJ銀行、三井住友銀行などの銀行団が融資するそうだ。

昨年7月、吉村知事は、IRは民営事業だから公はカネを出さない、と会見でいい放ったそうだ。松井市長も公金は投入しないと明言していた。だが、どうやらそれはウソだと週刊文春は報じている。