お金が貯まる人・貯まらない人は何が違うのか。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「自宅にビニール傘を何本も置いてある人はプチ浪費家の傾向があります。雨が降るたびにコンビニで購入してしまうのですが、一方であえて毎日コンビニで購入することで出費を抑えてお金を貯める方法もある」という――。

※本稿は、黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

コンビニエンスストアの飲料用冷蔵庫を開けて品物を選んでいる女性
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保冷剤がたまる家にお金は貯まらない

お金を貯めたいご家庭にとって大敵ともいえるのが、日々のちょっとした消費行動の積み重ね。ブランド品や高額な買い物をしているわけではないから、「これくらい使っても、大丈夫じゃない?」とついつい浪費を続けてしまいがちです。

しかし、1回が少額であっても、それが頻繁になるとかなりの金額になります。恐ろしいのは、そんな「プチ浪費」の習慣がほかの消費行動にも影響を与えてしまうこと。そんな「チリツモ消費」が家計に与える影響と対策について考えてみましょう。会社員の安藤和夫さん(仮名・40代)のご家庭もチリツモ消費が止まらない典型例です。

「専業主婦の妻は私が会社から帰る頃を見計らって、『今日は一生懸命、家事して疲れたからご褒美のスイーツ買ってきて』としょっちゅう連絡してきます。ショートケーキ、シュークリーム、モンブラン……。コンビニスイーツじゃ満足できないそうです。私は甘いものは苦手なので、妻と子どもの分だけ、乗り換えのターミナル駅のデパ地下で買います。惣菜を買うこともあり、そのたびに増えるのが、『保冷剤』です。ご褒美スイーツという名の浪費のたびにもらう保冷剤で冷凍庫は季節に関係なくパンパンです」

冷凍庫に、デパ地下やスイーツ店でもらった保冷剤がたまっているとしたら……もしかすると知らずに「プチ浪費」を重ねている証拠かもしれません。

玄関に○○○○が数えきれないほどある家は要注意

もうひとつ、ありがちなチリツモ消費の事例をご紹介しましょう。会社員の井上俊さん(仮名・30代)はついコンビニでビニール傘を買ってしまうそう。

「それなりに高い傘でも、次第にさびるし、骨組みも壊れます。だから、ビニール傘を使い捨て感覚で使っています。梅雨の時期を中心に年6回は買っているはず。職場の傘置き場に置いておいて、みんなで共有しているような感じです。急に、傘が必要なときは他の人のものを拝借することもある代わりに、自分の傘がなくなっても文句は言いません」

ビニール傘は必要経費と言わんばかりの井上さん。購入する理由は「傘を持っていかない(携帯しない)」から。他にも、「天気予報を見て事前の準備をしなくてもいい」し、「バッグが折りたたみ傘でかさばらない」ということもあるのだといいます。