讃岐うどん専門店「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングス(HD)は、2028年3月期に海外店舗数を現在の6倍強の4000店に拡大する計画を掲げている。一体どうやって実現するのか。同社の粟田貴也社長に聞いた――。
うどん弁当のヒットと欧州進出…国内外で快進撃
「うどんだけにこだわっていたら世界を取り逃してしまうんじゃないかと」
そう語るのは、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を運営するトリドールHDの粟田貴也社長だ。「丸亀製麺」においては、セントラルキッチンを持たず、すべての店舗に製麺機を設置し、店員が麺を打つ。2000年に1号店を開店して以来、国内830店舗以上、海外200店舗以上と順調に店舗数を伸ばしてきた。
コロナ禍ではあるが、トリドールHDは元気いっぱいだ。21年4月からテイクアウト専用の「うどん弁当」5種類(税込み390円~)を発売。約7カ月間で1500万食を売る大ヒット商品となり、V字回復に大きく貢献した。
21年7月にはイギリス・ロンドンに「丸亀製麺」を出店し、ロシアを除く欧州初進出を実現した。「チキンカレーうどん」や「とんこつうどん」といった現地オリジナルメニューがよく売れるほか、意外にも「かけうどん」の人気が根強い。
「カレーうどんなど味のはっきりしたものが好まれるという予想に反して、酸味のあるかつお節だしを使ったかけうどんがベスト5に入るまで売れている。これは意外であったが、かけうどんが好まれるなら、ロンドンでうどんが定着する可能性があるので、希望でもあった」
「丸亀製麺」が国内外で快進撃を見せる一方で、冒頭の発言のように、粟田社長は“脱・丸亀依存”を掲げている。なぜなのか。「丸亀製麺」がこれまで海外展開で成功してきた理由と、トリドールHDの今後の展望を探った。