参考書を読んで知識を詰め込んでも意味がない
そのとき、どんな勉強法をしていたかというと、コツコツと参考書を読み込んでいく【積み上げ式】の学習をしていたのです。でも、それではまったく歯が立ちませんでした。当時の私は、演習問題から逃げていたんです。結局、やってもほとんどできないので、「まずは参考書を読み込んで、知識を詰め込むことが大切だ」思い込んでいたのです。
でも、そこに問題はありました。「このままじゃまずい」と、私が取り組んだのは過去問題の研究です。とにかく何十年分も過去問を解いて研究し、自分が苦手な分野の演習問題に集中的に取り組みました。
そのときは司法試験もすでに5回目のチャレンジにさしかかっていました。回り道をしてしまいましたが、過去問を研究し、自分の課題に徹底的に向き合う逆算の学習を取り入れ、ようやく成果が上がることに。最終的に、当時の合格までの平均年数が7年だったところを、5年で合格することができました。
最短ルートで目標を達成する4つのステップ
みなさんは私のように回り道せず、ぜひ最短ルートで目標を達成してください。そのために、私が失敗を続けて得た逆算ノウハウを共有したいと思います。具体的なステップは次のとおりです。
2 現状を正確に把握する
3 目標にたどり着くまでの課題を抽出する
4 項目ごとに細分化して取り組みやすくする
では具体的にどうすればいいのかについて説明しましょう。
1 目標:目標を数字や固有名詞で把握しているか
目標からゴールを逆算するためには、まず目標を具体的に把握することが重要です。例えば、「TOEIC800点」「ファイナンシャルプランナーを取得する」というように具体的な数字や資格試験名、狙いたいポジション名が入っているかどうかをチェックしましょう。
ここでいかに目標を具体的にできるかが、その後の目標達成に大きく関係してきます。
2 現状:いまの自分の実力を正確に把握しているか?
次に、自分の現状を正しく把握しましょう。大抵の人は、自分の現状を過大に評価しているか、過小に評価しているかのどちらかです。「自分の現状と比べて目標が高すぎる」というのは何の問題もありませんが、「自分の現状を正しく把握できていない」というのは非常に問題があります。なぜなら、現状が正しく把握できていないと、目標を達成するための課題が浮き彫りにならないからです。
例えば、同じTOEIC800点を目標にするにしても、いまのレベルが200点なのか、600点なのかによって、勉強の内容や頻度、方法が大きく異なってきます。現状を正しく把握するためには、未経験でもまずは実戦で試してみるのが一番です。
勉強であれば時間を測って過去問を解いたり、スポーツであれば目標としているレベルの人の胸を借りて、自分がいかに目標からほど遠いか、いまの自分の実力を正確に把握しましょう。