超円高で海外ブランド品に注目が集まっている。国債や株式市場が先行き不安な中で、万が一換金する際、資産価値が高い商品とは何だろう。
そもそも換金目的で業者に持ち込まれるブランド品の代表は時計、バッグ、ジュエリーだといわれる。リユースデパートを標榜する「コメ兵」によれば標準的な未使用品の買い取り率は、時計とバッグが国内定価(正規販売店の一般的な価格)の60~70%程度、ジュエリーは20~40%程度だという。
中古市場で需要の多い商品の買い取り率は上がる。どの業者でも買い取り率ナンバーワンはスイス時計のロレックスだ。
「なかでも『デイトナ』は供給が少なく国内定価に近い値段で買い取れる」と語るのはコメ兵新宿店の今井亨副店長。デイトナのSS(ステンレス)黒文字盤モデルは定価99万7500円のところ未使用品なら85万円(コメ兵、2011年10月31日現在の価格。以下同)、「エクスプローラI」は定価59万8500円が未使用品36万円、中古35万円(上限価格)。エクスプローラIは未使用品と中古品の価格差がわずかだが「モデルチェンジしたばかりで中古流通量が少ないため」(今井副店長)。
バッグはルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルが「高買い取り率御三家」だ。小ぶりのバッグやキーケースや長財布といった小物は買いやすく需要が多いため、買い取り価格も高くなる。
ブランド品買い取りも行う質店の「大黒屋」の場合、ルイ・ヴィトンの未使用トートバッグ「モノグラムネヴァーフルPM」は定価7万円が5万6000円、「モノグラムファスナー付き長財布」は定価5万6000円が4万4800円とそれぞれ約80%の高い買い取り率(東京駅前店、2011年10月31日現在)を提示している。
オーバーホールによって新品同様の状態に戻せる時計は本体の傷の有無だけでなく、保証書や箱のような付属品の有無も査定に影響する。売却の可能性があるなら、「ベルトの長さを調節時に余った部品も捨てずにとっておく」(大黒屋東京駅前店の松岡貴之店長)といい。
バッグは変色したり傷がついた革は元に戻せないため、保証書の有無よりも使用感の少なさが買い取り価格に影響する。