体脂肪率の測定精度がかなり高い

「Body」は体脂肪率を測定する機能です。スマホ上で自分の身体を測定し、体重を入力すると、AIが体型から脂肪量を推定してくれるのです。アマゾンの発表によると、bodyが体脂肪率を推定する精度は、医師が使う方法と同程度であり、一般の家庭向けスマート体重計の2倍近いとのこと。体脂肪は、心臓疾患や糖尿病の発症確率を高める要因。健康管理には欠かせないデータです。

そして「Labs」は、健康管理のためのコンテンツを提案する機能です。ここにアマゾンだけでなく、サードパーティによるコンテンツを取り込むことで、ワークアウトや睡眠改善、マインドフルネスなどのプログラムを受けられます。アップルがアップルウォッチとiPhoneを連動させて各種のフィットネスプログラムを提供する「Apple Fitness+」を2020年12月からスタートさせていますが、アマゾンのLabsはこれに類似するサービスと言えそうです(※)

※編集部註:2021年9月に発表された新型「Amazon Halo View」では、液晶画面が追加された。心拍数、血中酸素濃度、皮膚温度などを測定でき、睡眠トラッカー、テキストメッセージのプッシュ通知機能を備えている。

日常生活だけでなく、医療現場でも使える技術

5つの事業のうち筆者が特に注目しているのは、アマゾン・ヘイローです。アマゾン・ヘイローは、おそらく、これから様々な医療データを収集できるメディカルデバイスとして進化を続けていくはず。

アマゾン・ヘイローは、いわばアマゾンのヘルスケアのエコシステムに組み込まれるためのデバイス。日常生活、あるいは入院中もアマゾン・ヘイローを装着し、医療データを収集、分析することで、投薬の管理や医療ミス・医療事故の防止、リハビリテーションのサポートなど、さまざまな用途に使われるポテンシャルを筆者は感じています。

コロナ新型患者も受け入れ可能な緊急処置室
写真=iStock.com/Akiromaru
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「顧客を宇宙の中心に置く」ことで、カスタマーエクスペリエンスを先鋭化してきたアマゾン。ヘルスケアにおいて同じことを実践するために、欠かすことができないツールが、アマゾン・ヘイローです。ただし、ここで強力なのは、アマゾン・ヘイローというデバイス以上に、ヘイローが起点となって構築するヘルスケアの新たなプラットフォームとエコシステムです。