(5)ヘルスケア&ウェルネス・プラットフォーム「アマゾン・ヘイロー(Amazon Halo)」

「アマゾン・ヘイロー」はアマゾンが開発したフィットネス用ウェアラブルデバイスです。2020年8月に発表、米国での提供を開始しています。リストバンドに、加速度計、温度センサー、心拍数モニター、2つのマイクを内蔵し、ユーザーの健康データを収集します。また収集したデータを解析し、デバイスと連携するアプリにユーザーの健康状態を表示します。なお、アマゾン・ヘイローはアマゾンのECサイトで購入可能で、価格は99.99ドル。加えて月額3.99ドルの使用料金がかかります。

アップルのアップルウォッチと大きく異なるのは、「健康管理のためのセンサー」としての最小限の機能に特化していることです。何か操作をする必要はなく、ディスプレイもなければ時刻表示も、通話機能や音楽再生機能もありません。

フィットネスバンド「Amazon Halo」
フィットネスバンド「Amazon Halo」

「1週間で150分の運動」ができるように管理

では、アマゾン・ヘイローにはどのような機能がそなわっているのでしょうか。

まず、運動量をモニタリングし、その量によってポイントを付与する機能が「Activity」です。「一週間に150ポイント」得ることを目標に、日々の運動量がグラフで表示されるのです。なお、ここでの1ポイントは、1分間の中程度の運動量を指しているため、必然的に「1週間で150分の運動」が促されることになります。

心拍数や体温から睡眠を分析する機能が「Sleep」です。浅い眠り、深い眠り、レム睡眠などをモニタリングし、そこから睡眠の質を測定。睡眠時間や夜中に起きた回数なども加味しつつ総合的に評価した結果、100点満点中70点を下回ると「改善が必要」と判断されます。

声のトーンを計測する「Tone」と呼ばれる機能からわかるのは、ユーザーのメンタルの状態です。アマゾン・ヘイローはマイクによってユーザーの声を広い、AIで声のトーンを解析。そこに含まれた感情をAmused(楽しい)、Content(満足している)、Reserved(静か)、Displeased(不機嫌)の4つに分類し、1日がどんなメンタルで占められているかをグラフで表示します。

これはまた、自分の声のトーンが相手にどんな印象をもたらしているかを自覚するにも、役立つ機能です。より好感をもたれやすい声のトーンに改善する上で、助けになるはずです。