今どきの空き巣はどのようにターゲットを選んでいるのか。フリーライターの赤木智弘さんは「地図アプリを使って、ターゲットを決める空き巣が送検された。ほかにもツイートからターゲットを探す手口も知られている。今のネットでは安易に情報を発信しないほうがいい」という――。
民家の割れた窓ガラス
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スマホで簡単に「下見」をしている

興味深い事件を見つけた。11月10日、熊本県で空き巣を53件繰り返し、現金や掛け軸、古銭や指輪など約1700万円相当を盗んだとして、41歳の無職の男など5人が窃盗容疑などで送検された。毎日新聞の記事によると、5人は「スマートフォンの地図アプリの画像で、草が伸びたり昼なのに雨戸が閉まったりしている家を物色し、住民の不在を狙ったと供述している」という。

犯罪内容は昔ながらの空き巣だが、その手口が興味深い。今どきの泥棒は下見のために現地に赴く必要はなく、自分のスマホで「入りやすそうな家チェック」ができるというわけだ。

かつて、スマホはもちろんパソコンなどの情報を取り扱う電子機器がそれほど普及していなかった時代、電子機器を用いた犯罪は「ハイテク犯罪」などと呼ばれていた。そうした犯罪ではコンピューター化の進んでいた銀行などの機関が狙われることがほとんどで、その被害額も大きなものであった。そうしたことから、私たち庶民はハイテク犯罪のターゲットとは無縁であるという認識が長く続いていた。

中高年こそ「ネット犯罪」に注意するべき

しかしその後、インターネットの普及によりパソコンが一般家庭でも普通に使われるようになった。さらに時代が進んでスマホの時代になると、パソコンでしかできなかったことが個人所有のスマホで行えるようになり、個人情報の電子化が一気に進んだ。

もはや子供ですらスマホを使いこなす時代に、空き巣だけがスマホの利便性を活用していないということはあり得ない。かつての「ハイテク犯罪=庶民とは無関係」というイメージはとうの昔に過去のものになっており、すでにあって当然の「ローテク犯罪」に変貌して久しいのである。

このようなことを小学生、中学生たちに尋ねれば「そんなこと当たり前でしょ。学校で習ったよ」という返事が来るだろう。どこの学校もメディアリテラシー教育には力を入れており、それをちゃんと理解している子供たちも増えている。

一方で、すでに学校で学ぶ機会のない中高年の中には、いまだに過去のイメージに引きずられて「インターネットのようなハイテクを利用した犯罪に、自分は関係ない」と思っている人も少なくない。