小売大手のイオンが一部店舗で新しい会計システムを始めている。客が自分のスマホで商品バーコードを読み取り、最後にまとめて会計するというものだ。導入の狙いはどこにあるのか。ITライターの酒井麻里子さんが取材した――。
スーパーマーケット係を使用して、デジタル現金レジスタおよびチェックアウトシステム
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お客にバーコードを逐一読み込ませてレジ待ちを解消

イオンリテールが、「レジゴー」という実店舗ならではの新サービスを始めている。

レジゴーでは、顧客は自身のスマホや店頭の貸し出し端末を使い、買い物をしながら商品のバーコードをスキャンする。会計時は、スキャン済みの商品情報が登録されたQRコードを精算機に読み込ませて支払いを行う。

店舗入り口に設置された「レジゴー」用の貸し出し端末。顧客が自分のスマホを使うことも可能だ
撮影=プレジデントオンライン編集部
店舗入り口に設置された「レジゴー」用の貸し出し端末。顧客が自分のスマホを使うことも可能だ

2019年に実証実験を開始し、2020年から本格展開を続ける。現在は月約10店とハイペースで導入店舗の拡大を実施しており、別会社が運営する系列店を含めて全国74店舗で導入されているという。

精算時にまとめて商品登録を行う従来のセルフレジや、商品登録は店員が対応し、精算のみ顧客自身で行うセミセルフレジの場合、来客数の多い時間帯などはどうしても待ち時間が発生してしまう。レジゴーは店内を回りながら商品を登録していくため、客が商品をかごに入れる都度バーコードを探して読み込ませないといけない“面倒くささ”はあるものの、会計時点での“レジ待ち渋滞”を大幅に減らせる点が特徴だ。