「楽しい買い物体験を提供する」ことを重視

待ち時間が減るだけでも大きなメリットだが、あわせて重視したのが顧客体験価値の向上だという。イオンリテール株式会社広報部の大瀧和孝氏はこう話す。

「レジ待ち解消による効率化は開発の出発点ではありますが、それ以上に重視しているのが、“お客さまに楽しい買い物体験を提供する”ことです。そのために、スマホに慣れていない方でもスムーズに使っていただけるUI(ユーザーインターフェース)を開発したり、カートスタンドを取り付けてスマホを設置できるようにしたりと、便利で楽しく買い物をしていただくための工夫をしています」

新規導入した店舗には説明スタッフを配置するなどして認知を拡大し、導入店舗では来店客の約2割がレジゴーを使って買い物をするという。テレビなどで紹介されるようになると、関心を持ったシニア層から「使ってみたい」と言われるケースも増えてきたそうだ。

「使い方が分からないお客様には、最初の1、2商品の登録をスタッフが同行してご案内しています。操作はそれほど難しくないので、シニア層の方にも楽しみながら使っていただけています」

まとまった買い物をする顧客が利用する傾向があり、レジゴー利用者は他の手段の利用者に比べて購入点数が約2割多いとの統計も出ているとのことだ。

当初は貸し出し端末のみだったが、2021年春からはスマホアプリの配信も開始。同時に精算機の操作パネルにも非接触システムを導入し、店舗の機器に触れずに買い物を完結できる環境を整えた。

精算機のタッチパネルは、画面に触れずに操作できる仕組みになっている
撮影=プレジデントオンライン編集部
精算機のタッチパネルは、画面に触れずに操作できる仕組みになっている

レジの混雑が解消されることで、従業員が他のサービスに注力できるようになったことも恩恵のひとつだという。レジゴーの精算機が設置された場所には、防犯やサポートのためのスタッフ1人が常駐しているものの、有人レジと比較すると負担は大幅に軽減できる。

「従来の有人レジでは、混雑時に1レジあたり2人体制で対応する『レジ応援』がよく行われていましたが、レジゴーなどの導入によってレジ応援の機会はほとんどなくなりました。その分、お客さまのご案内や品出しなど他の業務に注力できるようになっています」