その他の方法としては、舌のクリーニングを聞いたことがないでしょうか? 舌からもニオイが発生するために、舌のクリーニングを定期的にするのも有効な方法とされています。

ただし、やりすぎで逆に舌が悪くなってしまう人もいて、なかなか難しく賛否両論あるようです。私もうまくできないし下手にやってしまうのも怖いので、舌のクリーニングまではしていません。「優しく軽く」が基本のようですが、気になる場合は歯医者さんに相談してみてください。

「私は入れ歯だから、虫歯とか関係ない。だから、20年も歯医者に行っていない」と自慢する高齢者もいます。けれども、入れ歯であろうと不潔にしていれば口臭は発生します。

入れ歯は、使っていれば次第にすり減ります。いくら洗浄液に浸していても、すり減った隙間にたまった汚れは落ちにくいものです。入れ歯でも、普段からこまめに手入れしないと口臭が強くなってしまいます。

それに、口の中は入れ歯だけではありません。口の内側全般もきれいにしておかないといけません。

唾液を出やすくする3つのマッサージ

唾液が分泌される唾液腺をマッサージして(図表1)、唾液を出しやすくするのも有効な方法です。唾液腺は三つあります。

一つ目は、耳下腺じかせん。耳の前で奥歯のあたりにあります。指全体でさすってから、10回押します。

二つ目は、顎下腺がっかせん。顎の下にある柔らかい部分を、指全体で10回押します。

三つ目が、舌下腺ぜっかせん。顎を突き出した先の下側です。ここを親指で10回押します。

どこも押しすぎないように、優しくしましょう。食事前にマッサージすれば唾液の分泌が促進されて、口臭が減るだけでなく、消化がしやすくなるため食事がいっそう美味しくなります。

口臭予防にお勧めの「天然の歯ブラシ」

唾液を出しやすい食べ物はレモンや梅干しです。レモンを食べるシーンを想像してみてください。口からジワッと唾液が出る感覚があると思います。酸っぱいという感覚が、唾液の分泌を促進してくれるのです。

果物には、口臭予防にうってつけのものがたくさんあります。パイナップルとパパイヤには、タンパク質を分解する「パパイン」という酵素が含まれています。パパインは口の中のタンパク質を分解して、ニオイを抑えてくれます。キウイフルーツに入っている「アクチニジン」も同様の効果があります。

天然の歯ブラシともいわれているのがリンゴです。リンゴは酸味もあるので唾液が出やすく、噛んだ際に歯をきれいにしてくれる食物繊維も豊富です。リンゴのポリフェノールも口臭に効果的です。

フルーツだけではありません。うまみの成分であるグルタミン酸というものがあります。だしの中に含まれているものです。美味しいグルタミン酸は唾液を増やしてくれるので、だしがきいた料理を食べることは口臭予防に有効です。そして食事の最後に緑茶を飲むと効果的です。