初心者におすすめの「積み立て投資」

最後は、「初心者でもできる投資にチャレンジ」の具体例です。

小さな金額で始められる代表的なものに「投資信託」があります。多くの投資家から集めたお金をプロが運用するので、たとえ一人が出すお金が100円でも、世界中の株に投資することもできるのです。国内外の株や債券などに幅広く分散投資することで、たとえ損失が出たとしても、一つの企業の株を買うことに比べてダメージは抑えられるでしょう。

投資初心者の方は、「いつ買ったらよいのか」と悩む方も多いもの。そんな人におすすめなのが、積み立てで買って、長期で続けていく方法です。一度申し込みをすれば、あとは毎月自動で買い付けてもらえます。普通預金の金利は0.001%ほどですが、投資信託の場合、過去の実績では1~5%ほどのものが多く、長期で積み立てることでお金を増やせる可能性があります(ただし将来の利回りを約束するものではなく、マイナスになる場合もあります)。

毎月一定額を買っていくことで、価格が低い時にはたくさん買い、価格が高いときには少しだけ買う「ドル・コスト平均法」の効果が生まれます。この方法は万能ではありませんが、手持ちの資金が少ない方や大きなお金でいきなり投資をしたくない方、大きな損失を避けたい方には向いています。

気づくと大きな額になっている可能性がある

また、つみたてNISAという制度を使えば、利益が出ても約20%の税金がかからないのもメリットです。年間40万円までは非課税ですので、月あたり最大3万3000円程度を積み立てていくことができます。

もし、つみたてNISAで月3万円を20年間積み立てていったらどうなるでしょうか。(3×12カ月×20年間)で720万円になります。

西山美紀『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)
西山美紀『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる!お金の増やし方』(主婦の友社)

低めに見積もって、もし年利2%で運用できたとすると、元本720万円に対して、運用利益が約164万4000円上乗せされ、884万4000円という計算になります(金融庁HPの資産運用シミュレーションにて試算)。

先ほど、スマホや電力会社の乗り換えや、ふるさと納税で手元に増えた金額(340万円)に884万4000円を足すと、合計1224万4000円になり、1000万円を大きく超える金額になります。

ちなみに、月3万円ではなく、月2万円積み立てた場合(年利2%で計算)でも、合計額は約929万円となり、ほぼ1000万円になります。年利4%で運用できれば、合計額は約1073万円です。もちろん、NISAで利用できる投資信託も利回りを保証するものではありません。相場によっては元本割れの可能性もありますが、余剰資金がある方はチャレンジみる価値はあるでしょう。

「お金が残ったら貯めよう」と思いながらお金を使いきってしまい「来月こそは貯めよう」というループにハマってしまっている方でも、ほったらかしでできる積立投資の仕組みを取り入れれば、いつの間にか大きな金額になっている可能性があります。

「お金について何かしなければ」「でも何から始めたらいいかわからない」という不安を抱えている方でも、何をすべきかがわかれば気持ちが楽になるはずです。もやもやした時間がなくなり、お金と心のゆとりができれば、仕事や家庭、育児、プライベートに思いきり邁進できるのではないでしょうか。

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