2020年1月以降、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。税金・年末調整部門の第5位は——。(初公開日:2021年2月10日)
会社に勤めている人は、12月または翌年1月末までに、「源泉徴収票」を受け取っているはずです。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは「源泉徴収票は、節税や節約、資産形成を検討するうえで重要な情報が載っているのに、無頓着な人も多い」と指摘します――。
意外と多い無頓着な人
源泉徴収票は、「1年間でいくら給与を受け取ったか」「税金や社会保険料をいくら納めたか」などが記載されたもので、年末調整が終わったあと、会社から配布されます。自分のことなのに、意外と無頓着な人が多く、「何が書いてあるのかよく分からない」という人も多いようです。
税金や社会保険料をいくら負担しているかは知っておきたいですし、源泉徴収票の読み方が分からないと、控除を受け損ねたり、得するチャンスを見逃したりすることにもなりかねません。どこかに仕舞い込んだ源泉徴収票を取り出して、大事な情報をチェックしてみましょう。
正確な年収を把握、所得税額も分かる
源泉徴収票には、給与や賞与の「支払金額」、「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」のほか、「控除対象配偶者の有無」や「控除対象扶養親族の数」「社会保険料等の金額」、各種の控除額などが記載されています。
「支払金額」は、ボーナスを含む1年間の年収で、税金や社会保険料が天引きされる前の金額です。ここから、「所得税」「住民税」「復興特別所得税(2037年度まで)」などの税金や、社会保険料が引かれています。所得税と復興特別所得税を合計した金額が「源泉徴収税額」として記載されていますが、住民税は源泉徴収票には記載されていませんし、源泉徴収額とは別に負担しています。知りたい場合は、5月から6月に市区町村から届く「住民税課税決定通知書」を見るか、毎月の給与明細書に記載された住民税の額を12倍すれば、概算がわかります。
支払金額の隣に、「給与所得控除後の金額」が記載されていますが、これは、支払金額から、給与所得控除を引いた額です。給与所得控除とは、収入の中から一定の額を経費として控除する意味合いがあり、控除額は給与収入に応じて決められています。