秋篠宮家の長女眞子さまが小室圭さんと結婚する。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんは「この4年間は『国民総モラハラ』の状況だった。『眞子さまにはふさわしくない』という小室さんへのバッシングの背景には、日本人の結婚観の歪みがある」という――。
思いを貫徹する眞子さまと小室さん
秋篠宮家の長女・眞子さまが10月26日、婚約者の小室圭さんと結婚します。皇籍を離れ、晴れて「小室眞子さん」となります。
眞子さまが小室さんと婚約内定発表の記者会見に臨んだのは、2017年9月3日のことでした。小室さんの地元近くの商店街では垂れ幕やのぼりが上げられるなど、日本は祝賀ムードに包まれました。
しかし直後に小室さんの母親の元婚約者を名乗る匿名男性が女性週刊誌に登場し状況は一変しました。「(小室さんの母親である)佳代さんに400万円を貸したが、いまだに400万円を返してもらっていない」と語ったことで、2人の結婚に関する話題が取り沙汰され、現在に至るまでバッシングが続いています。
結婚に親族や関係者の暴露話をするのは万国共通のようです。2016年から交際を始めて、その2年後に結婚したイギリスの元ハリー王子とアメリカ人の女優メーガン・マークルさんの場合も、交際の発覚後にメーガンさんの父親がマスコミに登場し様々な暴露話を披露しました。
ただ筆者が気になったのは、冒頭の「400万円」は「親の昔の恋愛沙汰」がらみの話にすぎないのに、あたかも「子供」である小室圭さんに責任があるかのような報道が相次いだことです。週刊誌だけではなく一般紙もこの「400万円」を繰り返し取り上げました。
小室さんは、眞子さまにふさわしくない――。眞子さまのためだからと、眞子さまの気持ちを無視したそんな「意見」が大勢でした。まさに国民総モラハラの状況です。この状況は、女性皇族の生きづらさに焦点が当てられがちです。しかし、筆者はニッポン人の結婚観に大きなゆがみがあると感じます。男性に課された重すぎる条件と過度な期待です。