眞子さまと小室さんの結婚にまつわる過去4年間の記事や数々のコメントを読んでみると多くの人が眞子さまと結婚する男性に対して、頼りがいや相当の収入を求めていることが分かります。男性に求められる条件が欧州と日本ではここまで異なるのです。
近年、日本では専業主婦が減って、結婚後に女性も働くことが普通になってきました。それにもかかわらず、眞子さまの結婚となると、多くの人が「結婚後に女性が働く」ことを視野に入れないまま男性に「経済的な頼りがい」を求めています。矛盾していませんか?
男女の性別による役割分担論が当然のように語られ、非常に古風な見解の人が多いことに驚かされます。
子連れのシングルマザー女性と結婚したノルウェーの王太子
もう一つ、ヨーロッパの事例を紹介します。ノルウェー王室のホーコン王太子と、妃のメッテ=マリット・ヒェッセム・ホイビーさんです。
2人が出会ったのはノルウエーの都市・クリスティアンサンのロックフェスティバルでした。当時メッテさんはオスロ大学の学生で2歳の息子を持つシングルマザーでした。2人は順調に交際を続け、2001年8月にオスロ大聖堂で結婚式を挙げました。メッテさんは息子を連れて王室入りしたわけです。息子に王位継承権はありませんが、王室の一員となりました。
この2人の交際期間中にノルウエーの国民から反対の声が上がらなかったわけではありません。息子マリウスの父親、つまりはメッテ妃の元交際相手の男性がかつて麻薬常習で服役していたこと、またメッテさん自身も過去に麻薬を使用していた疑惑を、当時の現地メディアが連日取り上げていたのです。騒動は過熱し、ノルウエー国民の王室への支持率は当時急降下しました。
転機となったのは、正式な婚約を発表した2000年11月の記者会見でメッテさんが麻薬使用を含む自らの過去を涙ながらに謝罪したことです。率直に自らの言葉で過去を語ったことが、多くの国民から評価され、この会見をきっかけに王室への支持率も回復しました。
ノルウエーではシングルマザーの割合が50%を超えています。だから、シングルマザーに育てられ、自らもシングルマザーであったメッテさんを国民が受け入れることができたのかもしれません。小室さんもシングルマザーである母親に育てられました。バッシングの背景にはシングルマザーへの強い偏見もあるのではと筆者は感じています。