勝負に強い人は、どうやってメンタルを鍛えているのか。麻雀プロの小林剛さんは「流れやツキを信じてしまうと、ベストな選択をとれず負けてしまう。どんな結果が起きても心を揺らす必要がないとわかれば、メンタルは強くなる」という――。

※本稿は、小林剛『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか?』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

麻雀
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「今日はツイているから」はオカルトの始まり

私はプロ雀士の鈴木たろう、村上淳とともに「オカルトバスターズ」というものを結成し、麻雀界にはびこる「オカルト」の撲滅運動に勤んでいます。

まずは、そもそも私が何をオカルトと言っているのか、誤解されないようにちゃんと説明しておきたいと思います。オカルトと聞いて一般的には「超常現象」「怪奇現象」「幽霊」等のキーワードを思い浮かべる人が多いと思います。

もちろんこれらはオカルトの代表例ですが、私が意味しているのは、もう少し幅広く、根本的で、身近なものです。私が言うオカルトとは、「科学的根拠に基づかない事象、推測、思考」のことです。

「心霊スポットに行ったら、翌日肩が重くて上がらなくなった。きっと霊に祟られてしまったんだろう」
「ナスカの地上絵は、当時の技術では到底描けることのできない規模のものだ。だからきっと、宇宙人がUFOでやってきて描いたんだろう」

これらは一般的に言われるオカルトだと思いますが、これと、「今日はツイているから、次もいい牌がツモれるだろう」と言うのも、同じく「オカルト」だと思うのです。なぜなら、事象と事象の間に、科学的な根拠に基づく論理性がないからです。

当然、この世では、不思議な出来事が数多く起こります。その不思議な出来事一つひとつは、現在の科学では説明がつかないようなこともあります。

しかし、だからといって、それが「幽霊」だったり、「宇宙人」だったり、「神様」だったり、「運」や「ツキ」の仕業と決めつけてしまうことこそが、オカルト思考だと思っています。