結果は過去のもので未来に影響しないもの
「流れ」という言葉も曖昧です。「結果の偏り」のことを「流れ」と言うならば、流れは存在します。だからといって、「未来も、その流れが続く」ということは絶対にありません。
注意していただきたいのは、私はここで決して「麻雀には流れはない」と言っているわけではないことです。流れはもちろんあるとして、麻雀の対局と対局との間にその因果関係がない、ということを伝えたいのです。
たとえばプロ野球の巨人対阪神の3連戦で、阪神が初戦を勝ったとしましょう。だからといって、2戦目、3戦目に阪神が勝つ確率が高まるわけではありません。もちろん、勝って士気が上がったり、自信がついたりして、動きがよくなることもあるでしょう。
しかし、3戦はそれぞれの確率で、個別に勝ち負けが決まるので、一緒くたに考えるべきではありません。一戦一戦、目の前の一球に対してベストな判断をし、一歩ずつ勝ちに近づいていくことしかできないのです。
これは、サイコロを転がしているのと同じです。何度転がそうが、それぞれの目が出る確率はいつも6分の1です。仮に同じ目が続いて出たとしても、次にその目が出る確率が上がったり、下がったりするようなことはありません。
1回1回の「サイコロを振る」という行為の間には、因果関係がないからです。これを統計の世界では「独立した事象」などといいます。
たまたま悪い偶然が繰り返し起こる、あるいはよい偶然が繰り返し起こる。
これは確率的にはわずかであっても、起こりうる現象です。起こった「結果」が偏ったとしても、それは過去の出来事であって、この先の現象を予定するものではありません。
そのようなもののために、強気になりすぎたり、逆に弱気になりすぎてしまって、ベストな選択がとれないようでは、ビジネスでも人生でも、勝利は遠のきます。
ですから、どんな結果が起ころうが、心を揺らす必要はないのです。それを理解したときに、きっとあなたのメンタルは強くなるのだと思います。