ミスをしたときに「自分は本番に弱いから」と言い訳をする人がいる。麻雀プロの小林剛さんは「『本番に弱い』という言い訳はまったくのムダだ。ミスはだれにでもある。ミスをしないと思っているなら、それは過大評価にすぎない。重要なのは、あらかじめミスに備えておくことだ」という――。

※本稿は、小林剛『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか?』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

数式の書かれた黒板に参っている少年
写真=iStock.com/Imgorthand
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メンタルが強い2種類の人

「メンタルが強い人」には、2種類います。1つ目は、神経が図太い人。細かいことを気にせずにいられる人です。これはもう、才能というか、生まれつきの資質です。私は細かいことを気にしてしまうタイプの人間なので、そういう人のことを「うらやましいなぁ」と思います。

2つ目は、物事を論理的(ロジカル)に考えられる人です。「ロジカル」と「メンタル」、一見関係なさそうですが、実は大いに関係があります。

メンタルの強さは、「思考法」しだい。たとえあなたが繊細で、傷つきやすい人であっても、論理的なものの考え方を身につけることさえできれば、今この瞬間からあなたの心は強くなるのです。

今のあなたは「これまでの選択の結果」である

私、小林剛は「鋼のメンタル」「サイボーグ」と言われるほど、メンタルが強いとされている麻雀のトッププロです。

プロ歴はまだ20年ですが、最高峰のタイトル「将王」を3度獲得し、トッププロが集う麻雀リーグ「RTD リーグ2018」でも優勝。チーム戦でも、AbemaTV(現在はABEMA)で全対局の動画配信が行われる「Mリーグ」で、私が率いるU-NEXT Piratesが2019年に優勝するなどの成績を収めています。

麻雀は人生と似ています。それは、どちらも「選択の連続だ」ということです。

働いている人なら、今日は何時に出社するか、誰に声をかけるか、どういう順番で仕事をこなすか、残業するかしないか……など、一瞬一瞬で小さな選択を積み重ねています。

休みの日なら、何時に起きるのか、ジムに行くかどうか、誰と会ってどこに行くか。子育てをしている方なら、子どもにどんな声をかけるか、何を買い与えるか。

その選択の結果が、今現在のあなたです。私は、麻雀も人生も、よりベストな選択を積み重ねた人が勝つし、豊かな人生を送ることができると思っています。

もしあなたが現状に不満を抱いているのなら、よりベストな選択を積み重ねることができなかったからかもしれません。

しかし、不安やプレッシャーに押しつぶされて、いつもよりも悪い選択をしてしまうこともあるでしょう。よりよい選択を重ねていくには、ブレないメンタルが必要なのです。