思春期の子供がこっそりアダルトビデオ(AV)を観ていたら、親はどう対応するべきなのか。作家でカウンセラーの夏目祭子さんは「AVのようなセックスはニセモノだと伝える必要がある。そのためには4つのポイントがある」という——。
※本稿は、夏目祭子『親子で学ぶ「幸せな性」と命のお話』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
親子向けの性教育講座で必ず受ける質問
Q 「中1の息子の母親です。はっきり確かめてはいませんが、おそらく息子が、もうインターネットなどでアダルト動画を観たことがあるのではないかと考えています。きっと男子同士の友達関係からも、そういう情報が入ってくるのでしょう。興味本位でそういうものを観て、性に対して間違ったイメージを持ってほしくないのですが、それをどう伝えたらいいのかわからず、もどかしい思いをしています」
A 実はこの質問は、私が親子向けの性教育講座を開いた時に、毎回必ず親御さんから頂く、『ご質問率100%』のお悩みなんです。それほど、今の日本では、真実を歪めてしまう劣悪なポルノ描写が、多くの人の目に入りやすい場所に垂れ流されているということです。
まず、私が実際に自分の息子にどう伝えたか? という体験からお話しします。
今はもう大人になった息子が中学2年の時のこと。息子がインターネットのアダルトサイトにアクセスしたらしい形跡に気づいた時、私の中に「男女の営みが、その程度のガサツな行為だと思うような、粗暴な感覚に染まってほしくない!」という強い思いが湧いてきました。
それで早速、タイミングを見計らって、息子に話を振ってみました。