伝える相手に合わせて情報を加工する
それだけでも助かるのに、「ついてはAの場合に考えられるメリットはこれ、一方でリスクはこれ、そしてBは……」という、3つの選択肢の先の想定まで書いてくれるのです。実際、このマイナス面を伝えるというのは、誤解やトラブルを防ぐうえで特に重要です。
またそのうえで彼は、「わたしはB案が推しです」「参考までにBについてはこういった応用案が……」という形で、「B」に補足して「'B」案まで提示してくれることもあります。そこまで整理して説明してくれれば、こちらは最小限のエネルギーで、「じゃ、これにしようか」と納得して決断することができるわけです。
いうなれば、最初は四角く大きかっただけの武骨な情報が、彼によってブラッシュアップされた結果、角がとれ、必要な部分以外がそぎ落とされ、分解されて3つにきれいに並べられたことで、こちらはそれを見比べてすぐに決められるということなのです。
必要な情報とそうでない情報をふるいにかけ、たたき台になるものを上手につくれる人は、間違いなく頭がいい人です。
「たとえば?」と聞かれてすぐ具体的に答えられるか
話をしていて「たとえば?」と聞かれたときに、即座に具体的な例が挙げられる人は頭のいい人です。ある事象を別のワードでたとえる力というのはとても大事です。「日本ってこの分野の理解がとても遅れているけど、海外ではさぁ」と言う人に、「海外って、たとえばどこ?」と聞いてみて、具体的な国名や地域が出てこないようでは、実はその問題を深くは理解できていないということになります。
ある会社がコピーライターの入社に際し、「あなたの好きな(嫌いな)コピーを10個(もしくは20個ほど)挙げてください」という試験問題を出したという話を聞いたことがあります。クリエイティブな職業の採用試験ですので、普段からどんな文化や芸術に触れているかが、採用するうえでの重要なポイントとなります。