“糖質のストレス食い”で内臓脂肪が増大

内臓脂肪の増大をさらに加速させるのが、「糖質」の摂取です。

糖質を摂取すると体内の血糖値が上がり、それを下げるためのホルモンであるインスリンがドバドバと分泌されます。インスリンは体に脂肪をため込む作用を持つため、「肥満ホルモン」とも呼ばれています。

水野雅登『糖尿病の真実』(光文社新書)
水野雅登『糖尿病の真実』(光文社新書)

つまり、糖質を摂取したら即、身体に脂肪がたまる反応が始まり、摂った糖質の量が多いほど、内臓脂肪は雪だるま式に増えていきます。

コロナ自粛の陰で、ストレスを抱えている人は確実に増えています。人は食べることでストレスを発散しようと過食に走りがちになりますが、このときに摂取するのは甘いものやラーメン、どんぶりなどの糖質過多な食べ物であることが多いのです。というのは、甘いものを摂ると心が落ち着く感覚が得られるためです。

これを裏づける研究として有名なのは、フロリダ州立大学の心理学者、マシュー・ゲイリオットとロイ・バウマイスターの実験です。彼らがさまざまな種類の自己コントロール実験を行いながら、血糖値の変化と意志力の相関関係を調べました。すると、血糖値が高いほど意志力が高まり、血糖値の下がり方が大きいほど意志力が低下することがわかったのです。

「太りやすい体」が引き起こす5つの落とし穴

私たちはストレスがかかると、糖質をとって血糖値を上げがちです。そして、実際に血糖値が上がると自制する力が高まり、ものごとがうまくいきやすくなります。

一方で、肥満ホルモン(インスリン)は大量に分泌されます。体脂肪を燃やす体の反応はストップし、せっせと体脂肪を増やす体の反応が始まります。

運動量の低下、いつでも食べ物が手に入る環境、ストレスによる糖質の過食。そして、結果、体重が増加することでますます“太りやすい体の質”に作り替えられていきます。その結果、次のような変化が表れやすくなります。

①血糖値が上がる
②血圧が上がる
③中性脂肪やコレステロール値が上がる
④肝臓の数値が上がる

急激な体重増加は、体を変質させ、体内で各種の数値異常を引き起こして、私たちを「要再検査」「要精密検査」に追い込みます。

自粛生活、テレワーク生活であっても、そうした悪い変化の“引き金”となる体重増加をスルーしてはなりません。体重が微増したときには即、食事や運動でエネルギーを微調整して、短期に戻すことが重要です。

微増・微調整の段階であれば、体がまだ本格的に変質していませんから、元に戻すことも難しくありません。ぜひ今日から体重増加への対策をスタートさせましょう。

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