「プリン」は日本語だ。欧米には存在せず、日本独自の進化を遂げた純国産の西洋菓子である。食文化研究家の畑中三応子さんは「プリンはもともと固かったが、60年代に即席プリンが登場して以降、柔らかくなった。他方で、いまはコンビニにも角のあるプリンが登場するなど固めが流行している。このよろめきがプリンの本質だ」という――。
濃厚卵のレトロプリン
撮影=プレジデントオンライン編集部
セブン‐イレブンで販売中の「濃厚卵のレトロプリン」

“角”のあるプリンがついにコンビニに出現した

6月、角のあるプリンがセブン‐イレブンに出現した。商品名は「濃厚卵のレトロプリン」。この2〜3年、固いプリンのブームがじわじわ来ていたが、固さをうたっていてもほとんどがカップ入りだった。

カップに入れず透明パッケージとむきだしの四角形で視覚的にも固さをアピールし、ここまでレトロ感と卵感を強調するコンビニプリンははじめてかもしれない。ブームといっても、売場での割合としては5個に1個が固めという印象だったが、いやはや、ついにここまで来たかと思わせる出来事だった。

お皿に載せた「濃厚卵のレトロプリン」
撮影=プレジデントオンライン編集部
お皿に載せた「濃厚卵のレトロプリン」

セブン‐イレブンのサイトを見ると、商品説明は「どこか懐かしさを感じる、かため食感に仕上げたプリンです。ほろ苦いカラメルソースが染み込んだスポンジ生地と卵の濃厚なコクを味わえるプリンを組合わせました」とある。食してみると、想像した以上に固かった。下にスポンジが敷いてあるから、プリンを使ったケーキという感じ。懐かしいというより斬新だ。