サッカーの試合の勝敗予想、最も正解率が高いのは「短時間で決める」

第2段も同じシチュエーションで、4台のうち1台が「当たり」。①「よく考えて選ぶグループ」と②「選ぶための時間が少ないグループ」の2グループで行います。

ただし最初との違いは、「説明する量」です。それぞれの車について説明するカテゴリーをに増やし、より詳しい説明をしたのです。たとえば、トランクの大きさやドリンクホルダーの数などについても伝えました。

この結果どうなったかというと、①「よく考えて選ぶグループ」の中で「当たり」を選んだ人は25%を切りました。そもそも「当たり」は4台中1台(=25%)なので、当てずっぽうに選んだのと大差ないという結果です。

ところが、②「選ぶための時間が少ないグループ」は60%の人が「当たり」を選ぶことができました。

いったい、何が起きたのでしょうか?

この実験を行ったダイクスターハウスは、同様のことをサッカーでも行いました。

参加者を3つのグループに分け、サッカーの試合の勝敗をそれぞれ予想してもらうというものです。

まず、①「よく考える」グループ。どちらのチームが勝つかしっかり予測する時間を与えられ、考えたうえで予想します。

次に、②「当てずっぽう」のグループ。完全なる勘でどちらが勝つか予想します。

最後は③「短時間で決める」グループ。試合とは関係ない課題(パズルなど)をまず行ってから時間のない中で予想を行います。

この3グループで試合予想をしたところ、もっとも正解率が高かったのは、③「短時間で決める」グループでした。その正答率は①と②のグループの3倍以上になったと言います。

ものごとをシンプルに、大局的に考えられるか

車とサッカー、いずれの実験でも、短時間で決めたグループの正解率が高いという結果になりました。この理由として、短時間で決めなくてはいけないグループは、時間がない分、情報に正しく優先順位をつけて、合理的に選択できたのではないかと考えられています。

たとえば中古車ならば、「燃費のよさ」、サッカーならば「FIFA世界ランキング」といったように、時間がないからこそ重要だと思われる指標を絞り、素早く優先順位をつけることで合理的な選択ができたのです。

一方、よく考えるグループに起きたのは情報過多による混乱です。

「ドリンクホルダーの数」や「選手にまつわるうわさ話」など、時間があるからこそ細かい情報に意識がいってしまい、小さな欠点やマイナス要因が大きな問題のように見えてしまいました。

そのために、ものごとをシンプルに、大局的に考えられなくなってしまったのです。

たくさんの情報を集め、十分に検討したほうがいい決断ができそうな気がしてしまうのですが、必ずしもそうではありません。

あれもこれもと検討を重ねているうちに、最適でない答えにたどりついてしまうことがある、というわけです。