新型コロナウイルスの影響で住宅ローンの支払いを延滞する人が増えている。住宅ローン破綻する人にはどんな特徴があるのか。NPO法人「住宅ローン問題支援ネット」の高橋愛子代表と司法書士の太田垣章子さんの対談をお届けしよう――。
※本稿は、太田垣章子『不動産大異変』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。
コロナ前の相談では原因や問題が明確にあったが…
【太田垣】高橋さんは本業以外に、土日祝日は住宅ローン問題に関する無料相談会をしているんですよね。
【高橋】そうなんです。ライフワークで、NPO法人住宅ローン問題支援ネットという法人を運営していて、住宅ローン問題や投資ローン問題の相談を受けています。今はコロナの影響で、オンライン相談がメインですが。
【太田垣】家賃が払えない個人の方や、飲食店の経営者など、コロナで無料相談がすごく増えたんじゃないですか?
【高橋】コロナの前までは、メールや電話、面談などの相談数が月平均で20~30件位だったのですが、2020年の3月と4月は、月100件を超えました。フリーダイヤルで、全国各地から問い合わせをいただきますが、コロナになってからは、都心よりも、少し郊外や地方の方からのご相談が多かったかもしれません。
【太田垣】月に100件はすごいですね。
【高橋】事務所にいないときはスマホに転送しているんですが、電話が鳴りっぱなしで、取り切れない電話もたくさんありました。
【太田垣】私も3月、4月は、電話が鳴りっぱなし。家賃の滞納や、管理会社からは、自殺対応の相談ばかりでした。高橋さんのところは、どういった方からの電話が多いんですか?
【高橋】私の場合は、コロナ前までの相談は、収入減や倒産、離婚等何かしらの原因や問題が明確にあって、住宅ローンが払えない人からのご相談が多かったんですね。それがコロナの今は、競売などとは無縁の、本当に普通の人からのご相談が増えています。