何かあった時にリカバリーできる十分な貯えを

【太田垣】先の医師やエリートサラリーマン同様、不動産屋さんと銀行の言いなりでなく、自分で調べることも大切ですね。

太田垣章子『不動産大異変』(ポプラ新書)
太田垣章子『不動産大異変』(ポプラ新書)

【高橋】ちょっとの知識で何百万とか変わってきます。金利を下げる交渉ができたり、専門家に相談するだけでも人生が変わるので、勉強して賢くやってほしいと思います。

【太田垣】この先、さらに大変になってくるんじゃないでしょうか?

【高橋】厳しい人、何とかならない人、いちばん深刻な人たちが増えてくると思います。返済猶予のリスケジュールの問題ではなく、先が見えなくて、売却せざるを得ない人も増えるでしょうし、債務整理する人も今後は増えてくると思いますね。

【太田垣】最後に、アドバイスがあればぜひ。

【高橋】まず、持ち家を負債化させず資産化していくことが大切だと思います。住宅ローンのバランスシートを正常化させていれば、何かあった時に破綻に追い込まれることがありません。十分に身の丈にあったローンを組むことや資産価値の下がらなそうな物件を買うことをお勧めします。35年ローンを、80歳まで組んでも、70歳以上で払えなくなる人はたくさんいます。頭金を入れたほうがいいとよく言われますが、フルローンでも良いので、何かあった時にリカバリーできる十分な貯えをしておくことです。不動産屋さんの言いなりになったり、金融機関の「貸します」に簡単に乗らずに、ファイナンシャルプランナーなどお金の専門家にセカンドオピニオンを聞いてみることも重要です。

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